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開催日: 2014年7月27日(日)

<みんなの疑問解消編>画像診断科、呼吸器科

講師

藤田 道郎先生
日本獣医生命科学大学 獣医学部 獣医学科 
獣医放射線学 教授

演題

画像診断科、呼吸器科
画像から肺炎、肺水腫、肺腫瘍は鑑別できるか?

関連ハンドアウト(参考資料)

オンデマンド

Vol.1
  • 画像診断
  • 呼吸器科

●質問と解答
輪状軟骨の尾側変異で症状が出るのか?
犬の輪状軟骨は第2頸椎あたりが多い。
短頭気道症候群などでは輪状軟骨が尾側に変異していることが多い。
吸気時にレントゲンを撮影すると虚脱の影響で特にそう感じる可能性がある。吸気と呼気で撮影して確認するとよい。

Vol.2
  • 画像診断
  • 呼吸器科

●肺炎、肺水腫、肺腫瘍をどう鑑別するか?
画層だけでは肺炎、肺水腫、肺腫瘍を鑑別することはかなり困難である。●肺炎
鑑別診断は肺水腫、血栓塞栓症、肺出血、肺腫瘍、肺拡張不全●肺疾患において胸部X線およびCTからわかること
肺胞パターンと間質パターン、気管支パターンの3つしか分からない。●肺胞パターン
肺胞内に液体または細胞壊死組織片などが充満した場合、腫瘍性浸潤が起こった場合、肺胞が虚脱した場合
これらの変化が肺胞から肺胞管や終末気管支へと進行する。●肺胞パターン
境界不明瞭な綿毛状陰影、肺葉辺縁陰影の出現(肺葉サイン)、気管支透亮像(air bronchogram)
気管支壁が見えない血管陰影の消失●肺胞パターン境界不明瞭な綿毛状陰影●肺胞パターン 気管支透亮像(air bronchogram)●肺胞パターン 肺胞透亮像(air alveologram)
air bronchogramとまとめて表現する本もある。
出血の所見を示すことが多い。●肺胞パターン 肺葉サイン●肺胞パターンが認められる場合に鑑別すべき疾患
肺水腫、肺内出血、肺炎、肺膿瘍、梗塞、肉芽腫、無気肺、肺の原発性腫瘍など・・●肺胞腔と間質●肺胞壁の間質の構成

Vol.3
  • 画像診断
  • 呼吸器科

●間質パターン
液体、浸出物、細胞、線維素などで肺の間質が満たされたことによって生じる。●間質パターンが認められる疾患
初期の肺水腫、肺出血、腫瘍(原発性、転移性)、肺炎、肉芽腫、肺線維症、老年性変化など●間質パターン
肺野全体のコントラストの低下、肺血管の輪郭、辺縁の不鮮明(確認はできる)●間質パターン 転移性肺腫瘍●肺炎、肺水腫、肺腫瘍をどうやって鑑別するのか?●X線画像からの鑑別が困難なので肺炎、肺水腫の原因やX線所見を理解し、そして他の検査情報と合わせて優先順位をつける。

Vol.4
  • 画像診断
  • 呼吸器科

●細菌性肺炎のX線所見
肺胞パターン、間質パターン、気管支パターンの混合パターンが多い。
猫では転移性肺腫瘍と思われるような肺胞パターンの多発病巣がしばしば。●細菌性肺炎のX線所見●細菌性肺炎のX線所見(猫)●肉芽腫性肺炎●好酸球性気管支・肺炎(EBP)
気管支周囲の浸潤像●吸引性(誤嚥性)肺炎
右中葉のみの肺胞パターン(肺葉サイン)
その他、右前葉や左前葉のみの肺胞パターン●41頭の猫で見られた原発性肺腫瘍のX線所見

Vol.5
  • 画像診断
  • 呼吸器科

●転移性肺腫瘍のX線所見
び慢性の間質パターン、び慢性の結節パターン、大小不同の結節パターン●原発性肺葉硬化性腫瘍●細菌性肺炎●肉芽腫性肺炎●原発性肺葉硬化性腫瘍
原発性扁平上皮癌●吸引性肺炎●粟粒性原発性肺腫瘍+気管支肺炎
肺腺癌●細菌性気管支肺炎●転移性肺腫瘍●好酸球性肺炎●心臓の大きさから心臓に負荷がかかり、肺水腫悪化か?リンパ腫Chemo中●転移性肺腫瘍●細菌感染性肺炎

Vol.6
  • 画像診断
  • 呼吸器科

●肺水腫が起こる機序
肺毛細管静水圧差によって、血管基底膜の破綻や肺胞上皮の障害によって●非心原性肺水腫の原因
閉塞性、神経性、急性肺障害/急性呼吸窮迫症候群、溺水、煙吸引、薬物障害、酸素中毒、肺動脈塞栓、アナフィラキシー●非心原性肺水腫の原因
閉塞性ー喉頭部疾患(喉頭麻痺、喉頭虚脱、軟口蓋過長症など)
吸気時の努力性による胸腔内圧が著明に低下し、静水圧差が増加
正常であれば呼気時間と吸気時間は1対1。●その他の非心原性肺水腫の原因
全身性炎症反応症候群(敗血症、転移性肺腫瘍、重度組織外傷、免疫介在性疾患、全身性血管炎)、急性呼吸窮迫症候群●非心原性肺水腫(神経原性肺水腫)の原因
神経症状の発現後1時間以内に呼吸不全が発生する場合が多い。

Vol.7
  • 画像診断
  • 呼吸器科

●心原性肺水腫と非心原性肺水腫の鑑別
NT-proBNP測定で鑑別できる? NT-proBNP:>1158 pmol/L●肺水腫のX線所見
心原性(心拡大、血管腫大、肺門部周囲浸潤、肺水腫±胸水)
非心原性(心臓の大きさおよび血管は正常、肺胞 and/or 間質パターンまたは気管支パターン、肺後葉部の浸潤、び慢性肺水腫±気管支透亮像)●心原性肺水腫のX線所見●ネコの心原性肺水腫のX線所見は様々
23頭中19頭(83%)で肺胞パターンうち6頭はエアーブロンコグラムも。
23頭中16頭(71%)で肺血管の直径の増大
23頭中14頭(61%)で気管支パターンも。●ネコの心原性肺水腫のX線所見は様々
血管の静水圧や透過性亢進だけの問題では無く、自律神経系が関与しているのでどんな画像所見も有りとの見解も。●質問と解答●症例1 非心原性(神経原性)肺水腫か?
利尿剤、気管支拡張剤、抗生剤処方●症例2 感電に伴う非心原性肺水腫を疑う
酸素療法、抗生剤、利尿剤

Vol.8
  • 画像診断
  • 呼吸器科

●細菌性肺炎
多くは正常な気道常在菌が病原性を発揮●気管支肺胞洗浄液検査
犬に比べ猫は好酸球の比率が多い。●質問と解答

Vol.9
  • 画像診断
  • 呼吸器科

●肉芽腫性肺炎
肺への多様な傷害に対して起こる出性よりもむしろ細胞性の炎症性反応。
肺胞内や間質にマクロファージや類上皮細胞、リンパ球とプラズマ細胞の出現
ヒストプラズマ、フィラリア、トキソプラズマ、結核菌、マイコバクテリウム、異物、Ⅳ型免疫反応を起こすアレルギーなど。
感染因子から宿主を守る非常に効果的な遅延型または細胞介在性免疫メカニズム。非免疫学的刺激反応でも起こる。
肉芽腫を起こす感染因子のほとんどは活性化されたマクロファージによってだけ阻止できる細胞内侵入者。
しばしば過剰な免疫反応による合併症を引き起こす。●症例●検査所見●血液検査所見と画像検査所見から・・・
肺炎?肺腫瘍?●抗生剤治療などから11日後●体温、WBCとCRPの推移
画像所見は悪化。肺門リンパ節も腫脹していることから肺腫瘍か?●肺FNA所見
多くは炎症性細胞であり、好中球及びマクロファージを主体で化膿性肉芽腫の細胞構成。
細菌などの微生物は観察されず。一部は上皮細胞集塊が存在し、異型を示す。●切除肺・気管リンパ節●治療
免疫抑制治療、抗生剤治療等(プレドニゾン:1mg/kg、SID、バイトリル:5mg/kg、SID、ガスポート)●プレからシクロスポリンに変更●質問と解答

Vol.10
  • 画像診断
  • 呼吸器科

●吸引性(誤嚥性)肺炎
液体物や異物が肺に誤入したことによる肺炎。胃の内容物を誤入した肺炎を特に誤嚥性肺炎と呼ぶ。
原因としては正常な防御メカニズムの喪失、医原性。●吸引性(誤嚥性)肺炎の臨床徴候
急性期:重度の呼吸困難、発熱、咳、急性炎症反応、聴診で湿性ラ音や喘鳴音
慢性期:時折、湿性の咳のみ。慢性炎症反応●吸引性(誤嚥性)肺炎のX線所見の特徴
吸引物によっては直後にX線上、変化が描出されないことあり。吸引後、6〜24時間以内とも。
疑わしい場合は翌日(24時間後)に再度X線検査を。●質問と解答●何故、右中葉が好発なのか?●吸引性(誤嚥性)肺炎のレントゲン所見

Vol.11
  • 画像診断
  • 呼吸器科

●内科療法に反応したら肺腫瘍では無く、肺炎?●症例 主訴:努力性呼吸。●経過・1
入院し、抗生剤で良化したため、退院。退院2日後努力性呼吸再燃。●経過・2
超音波検査で心臓を除外。非心原性肺水腫の可能性を考えてラシックス(1 or 2 mg/kg)。●前回から3日後●経過・3
呼吸状態良化したため、ステロイドも含めた同治療を継続。●前回から23日後のCT●経過・4
少し動き回ると呼吸が苦しくなるが、呼吸状態は概ね良好。しかし、ラシックスによりBUN:60mg/dlとなったため、利尿剤を2から0.5 mg/kgに減量。
プレドニン2 mg/kgで4日目に悪化。セフタジジムとIFN:2MU
発熱も見られる。●前回から9日後●前回から4日後
元気食欲にむら。体温:40.5℃●前回から3日後●気管支腺癌●質問と解答

Vol.12
  • 画像診断
  • 呼吸器科

●原発性肺腫瘍
イヌでは全腫瘍中:約1%
ネコでは全腫瘍中:0.5%未満●41頭の猫で見られた原発性肺腫瘍のX線所見●肺腫瘍X線所見の鑑別診断
孤立性の結節像(肺膿瘍、囊胞、梗塞、血腫、肉芽腫)●肺腫瘍診断
腫瘍随伴症候群
肥大性骨症 イヌで約15%、ネコでは稀●約10ヶ月前から胸水貯留
抜去しても繰り返すため、本学動物医療センターに紹介来院。
右後葉をFNAしたところ、化膿性病変との診断から肺膿瘍に伴う胸水疑い。●肺癌(原発性肺腫瘍+転移性肺腫瘍)●肺腫瘍診断
画像検査、血液検査、気管支鏡/気管気管支洗浄検査、胸腔穿刺、生検/FNA
心臓の位置が正しい位置にあるかを確認すること。●肺腫瘍診断(気管支鏡/気管気管支洗浄検査)
多くの場合、腫瘍細胞を検出できず、一般的には推奨されない。●肺腫瘍診断(胸腔穿刺)
胸水中に腫瘍細胞が存在していれば診断可能。しかし、変性漏出液のみであることも。●肺腫瘍診断(生検/FNA)
ガイド下で確実に腫瘤から採取したとしても炎症や、出血、壊死組織が検出されるのみで腫瘍と診断できないことも
その他、ガイド下FNAや生検により、気胸、血胸さらには腫瘍の胸腔内播種の危険性も。

Vol.13
  • 画像診断
  • 呼吸器科

●肺炎?肺水腫?肺腫瘍の鑑別・1
画像だけでは肺炎、肺水腫、肺腫瘍を見分けるのは困難なことが多い。
各疾患の一般的な画像所見と・・・

  • ・臨床経過の確認 いつ頃から?咳は?
  • ・ワクチン接種歴の有無
  • ・吸気性努力呼吸が無かったか?
  • ・発熱の有無
  • ・薬剤障害、感電、急性膵炎などの有無
  • ・脳圧亢進の可能性の有無
  • ・聴診上で心雑音のチェック
●肺炎?肺水腫?肺腫瘍の鑑別・2
各疾患の一般的な画像所見と・・・
  • ・可能なら心エコーで心原性を除外
  • ・血液検査で白血球数の評価 細胞塗抹で桿状好中球の有無
  • ・血液化学検査でTPなど
  • ・CRPの評価
  • ・胸水検査
  • ・FNA or 生検
  • ・NT-proBNP測定 など。
鑑別リストで優先順位をつける。または、外科的切除を実施し、組織検査。●質問と解答

動画要約(全文)

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