VMN セミナー情報
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開催日: 2015年10月25日(日) |
<みんなの疑問解消編>
救急医療:心拍再開後の循環、呼吸管理、疼痛管理
テーマ 救急医療:心拍再開後の循環、呼吸管理、疼痛管理
講師
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オンデマンド
vol.01
- その他
- 一般外科/麻酔科
- その他
- 一般外科/麻酔科
・Veterinary Emergency Critical Care
パート7のClinical guidelineはよく覚えておくべきもの。
・CPRアルゴリズム
・意識のない(反応のない)患者に対して
以前は時間をかけて状態を把握するべきと言われていたが、現在は救急判断を敏速に行うことが重要とされる。
▶︎気道の確保 Airway
触診、視診
▶︎換気 Breathing
胸の上下の動きを把握、空気の流れを感じる
▶︎循環 Circulation
脈の触知、聴診
▶︎ゴール
心肺停止(CPA)の診断・確定
15秒以内で!
・次に何をする?
もしも100%CPAであると確認したら、一次救命処理(BLS)の開始!
もしも100%CPAでないと確認できたら、初期診断の完遂(呼吸状態、心血管系+循環、神経学的検査)、状態が安定しているかを判断。
【重要】CPAかどうかはっきりしなければ、一次命処理(BLS)の開始!
vol.02
- その他
- 一般外科/麻酔科
- その他
- 一般外科/麻酔科
・BLS
CPAであれば、できるだけ早くBLSを開始することが重要。
・BLSの手順
▶︎CAB!(順序ではなく、優先度合いと認識する)
1.循環 Circulation
2.気道確保 Airway
3.換気 Breathing
▶︎混乱しないように
ABCは評価
CABは治療
・胸部圧迫時のポジション
大部分の犬・猫では胸部圧迫は横臥で実施すべき。右か左かは現在のところ確定していないので、発見時の状態ではじめる。
・どうやって圧迫はすべきか?
胸壁の丸い犬(胸腔ポンプ理論に基づく)
胸壁の深い犬種、小型犬、猫(心臓ポンプ理論に基づく)
・大型で胸壁の丸い犬
胸の深さと幅が同じくらいの犬。
・胸部圧迫:大型犬および超大型犬種
胸壁の最も広い部分に手を置く
胸を最大限に圧迫
胸腔ポンプ理論に基づき、横臥の時に一番高くなっている胸の部分い手を置き圧迫する。
・大型で胸の深い犬
ハウンドドック系
・胸の深い犬種、小型犬および猫
心臓の真上に手を置く
心臓ポンプ理論に基づき、心臓を最大限に圧迫する。
・胸郭が樽状の犬
ブルドッグなど
仰臥位で胸骨を圧迫
心臓ポンプ理論に基づき、心臓を最大限に圧迫する。
仰向けにしても倒れない犬種は仰向けがいい?
・小型犬および猫
外周(胸壁を手でつかむ)圧迫
心臓を最大限に圧迫する。
押しすぎないように!!(胸壁の1/2まで)
・胸壁圧迫のテクニック
1分間に100~120回の圧迫
犬も猫も
歌を歌いながら(http://www.bethebeat.heart.org)
胸の幅の1/3 to 1/2 の深さで圧迫
胸壁の再拡張を完全に
【重要】2分サイクルで疲労軽減のために圧迫実施者を交代。
・胸壁圧迫中の除圧
強い圧迫に対して完全なる圧迫解除(除圧)による心臓の胸壁の拡張も重要!
胸壁圧迫の不十分な除圧
心臓ポンプ理論では心臓拡張の阻害→心室血液充満低下
胸壁ポンプ理論では胸壁拡張の阻害→静脈還流の低下→循環低下
各圧迫間に確実な除圧を1:1で実施することが推奨されている!!
・胸壁圧迫中の注意点
胸壁圧迫の中断を避けるもしくは最小限に!
vol.03
- その他
- 一般外科/麻酔科
- その他
- 一般外科/麻酔科
・口ー鼻 人工呼吸
鼻先から首を脊椎ラインに沿うように伸ばす
首を床の上で平らに保つ
手で口を閉じてつかむ
患者の鼻孔を自分の口でふさぐ
素早く2回息を吹き込む
・換気のガイドライン
口-鼻(吻)
気管内挿管してない患者の場合、もしくは単独でCPRを行う場合
胸部圧迫:換気 30:2
30回の胸部圧迫
2回の急速換気
気管内挿管
可能であれば必ず気管内挿管を行う
横臥のままで挿管し胸部圧迫を中断しない!
換気と同時に行う
1分間に10回
1回換気量10 ml/kg = 普通に胸が上がる程度
吸気時間1秒
・評価はA→B→C
CPAの認識→胸部圧迫→人工呼吸
複数の救助者がいる場合には、胸部圧迫(C)と同時に気道確保(A)と人工呼吸(B)を開始する。
このあと二次救命処置ALS
・CPRアルゴリズム
ALSで重要なのはモニタリング
・モニタリングの開始
CPR中に有用なモニター
ECG
心停止の診断
薬物治療の効果判定
呼気終末CO2分圧(ETCO2)
胸壁圧迫の効果判定
自己心拍再開(ROSC)の判定
CPR中に有用でないモニター
パルスオキシメーター
– 脈拍が必要!
非観血的血圧測定 – 脈拍が必要!
・CPR中のETCO2
ETCO2の上昇は
心拍出量の増加
冠動脈血流の増加
動物および人における生存率の増加と関連がある
胸部圧迫の最適化にETCO2を用いる
・ETCO2ガイドライン
ETCO2 < 15 mmHgの場合(これより低いと自己心拍再開率が下がる)
胸部圧迫の質の再評価(早さ、深さ、圧迫解除 / 施術者の寄りかかり)
適切な換気状態を確認(呼吸数 10回 / 分 (呼吸と呼吸の間は6秒)、1回換気量の過剰を避ける)
ETCO2の急激な増加
自己心拍再開(ROSC)の確認
肺血流量の劇的な増加
脈拍を確認できるまで胸部圧迫を中止しない!
vol.04
- その他
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- 一般外科/麻酔科
・血管確保
静脈内、骨髄内、気管内
・静脈内(IV)、骨髄内(IO)投与ルート
いずれの投与ルートも作用発現は速やかかつほぼすべての 薬剤を投与可能
末梢静脈ルートは合併症も少なく第一選択で、末梢静脈より 投与後0.5ml/kg以上の等張晶質液を用いて、薬剤を後押しすると効果発現がより早まる(20kg犬での実験データ)
中心静脈ルートは最も薬物効果発現が早いが、カテーテル設置に技術と時間を要するため、蘇生処置中の設置は困難
様々な理由(静脈虚脱、超小型動物)で血管確保 が困難な場合、外頚静脈への外科的アプローチや骨髄内投与を検討
・経気管チユーブ投与(IT)ルート
CPR中に簡便で素早く利用可能な投与経路 ・気管チューブ内に栄養カテーテルを通し、気管チューブ先端付近で薬剤を投与
主な投与可能な薬剤:NAVLE
Nナロキソン、Aアトロピン、Vバソプレッシン、L リドカイン、E エピネフリン(アドレナリン) 重炭酸ナトリウムなどは投与不可
多くの場合静脈内投与量の2~3倍の用量を用い、また注射用蒸留水もしくは生理食塩水(5ml/20kg)で希釈する (蒸留水の方が薬剤の吸収が早い)
吸収が肺胞血流の影響を受けるため、効果発現が不安定 →あくまで緊急的手段、第一選択ではない
・拮抗薬
鎮静薬が使用されている場合拮抗する
フルマゼニル: ベンゾジアゼピンの拮抗
ナロキソン: オピオイドの拮抗
アチパメゾール: α-2 作動薬の拮抗
鎮静薬投与後、長時間経過していても効果のある場合がある
・CPRで使用される緊急薬とその投与量
投与表を作成しておきいちいち計算しないでいいようにしておくこと。
・静脈内輸液剤投与
等容積もしくは過容積性の犬・猫のCPR中、通常の静脈内輸液剤の投与は推奨されない。
心肺蘇生の初期の段階では静脈内輸液投与は考えない。(明らかな外傷や出血以外)
vol.05
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・ECG評価のポイント!
正常な波形か? P-QRS-Tが一定間隔か?がまず重要。
判断は10秒以内で行う。
異常な動きをしている心臓は除細動が必要になる。
チャート図に従い判断する。
・心室細動(VF)
電流により全ての心筋細胞を同時に脱分極させる
心筋は不応期に入る
正常な心調律細胞が再度調律を取り始める
・電気的除細動:いつ行うべきか?
3相モデル
電気的活動相: 4分以内
最小限の虚血
還流可能な調律の早期回復が最も望ましい
動物の場合は電気的活動相が起こることが自体が少ないし、起こっていてもそれを発見する機会も少ない。
循環相: 4分以上 代謝による毒素の蓄積,ATPの減少
還流可能な調律を得るため、前もって心臓への 栄養基質を再充満することが必要
代謝相: 10分以上 不可逆性の虚血性障害 虚血再還流障害のリスクが高い
・電気的除細動のガイドライン
VFの診断はCPRの周期間に行う
チャージ中も胸部圧迫を継続
電気的ショック:1回のみ
すぐに胸部圧迫を1周期再開
1周期終了後にECGを確認
・BLS開始前にVFが診断された場合
・電気的除細動テクニック
仰臥位にポジション
パドルを胸壁の両側に設置
犬、テーブルなどに触れないように
全ての人が離れている(clear)ことを確認
posterior paddle(平坦なパドル、動物の下 に敷く事ができる)を用いる
より安全 胸部圧迫の中断時間の最短化
・難治性VF
エネルギー用量 (J) を50%増加させ1回 ショックを与える
抗不整脈薬の使用を考慮
アミオダロンは良好な効果が得られている
Class III の抗不整脈薬
高価
犬でアナフィラキシーの可能性あり
アミオダロンで効果が 得られなければリドカインの使用を検討
・CPRで使用される緊急薬とその投与量
vol.06
- その他
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- その他
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・心肺停止後治療のアルゴリズム
血液ガス分析が必要になってくる。
呼吸機能の至適化
循環動態の至適化
・蘇生後(自己心拍再開後)のケア
個々の状態が非常に異なる
自己心拍再開まではアルゴリズムに従い、再開後は個々の動物の状態に従う。
・ここでいただいた質問に。。。
Q;心原性肺水腫によるショックに陥ったMRの犬で、一度は呼吸循環が安定し、意識が戻るまで行くのですが、その後興奮などによってまたすぐにショックに陥り、結局、救命出来ないケースがあります。
清書にあるように、モルヒネなど鎮静剤を積極的に使っていくべきなのでしょうか?ショックの場合には使うタイミングも難しく、ためらってしまいます。
何か救命後の安定化について、アドバイスを頂ければと思います。
A;まずはBLSでROSCを!!
蘇生後の管理のポイント!
1. 呼吸機能の“至適化”
• 自発呼吸はしているか?十分か?
• 躊躇せず、気管内挿管での管理を!
• 低用量プロポフォールのCRI
+筋弛緩薬(ロクロニウム 0.2mg/kg/hr, CRI-IV)
• 人工呼吸管理(~48hrs)
vol.07
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2. 循環機能の“至適化”
• 平均血圧の維持のための循環作動薬の積極的使用
• “総合的”な循環状態の評価(後述)
・蘇生後(自己心拍再開後)のケア
呼吸機能の“至適化”
最初の24hrは100%酸素で管理
次の24hrで徐々に酸素濃度を調整(徐々に下げていく)
-80~60%
-40%
-30% 維持可能であれば抜管へ!
酸素ブレンダーの使用を考慮する。
vol.08
- その他
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- その他
- 一般外科/麻酔科
・ここでいただいた質問に。。。
Q; ショック時のステロイドの使用について、あまり有用でないという話も聞くのですが、実際の有用性や弊害について教えて頂きたいです。
・確かにこれまでは。。。
ショック時にはステロイド投与により患者状態を 安定化させる! +α!!
プレドニゾロン;4~6mg/kg, i.v.
+α;大量輸液!!
晶質液 犬90ml/kg、猫45ml/kg急速IV
コロイド液 犬20ml/kg/日、
猫5~10 ml/kg/日 急速 IV
高張食塩水(3%) 4~6ml/kgslowIV
・最近の考え方では・・・
ショック時にはステロイド投与により患者状態を安定化させる! +α!!
相対的コルチゾール不足の補充!! (ハイドロコルチゾン)
-0.05~1.0mg/kg,BolusIV 後
6時間毎に同用量を投与 もしくは 0.15mg/kg/hr, CRI-IV
+α;必要に応じた輸液!!
コロイド液 犬2~5ml/kg,Slow-Bolus,IV
猫2ml/kg , Slow-Bolus, IV
高張食塩水(7.5%) 4~6ml/kgslowIV
※ポイントは必要に応じて!
・静脈内輸液投与
等容積もしくは過容積性の 犬・猫のCPR中、通常の静脈内輸液剤の投与は推奨されない。
・最近の考え方では・・・
ショック時にはステロイド投与により患者状態を安定化させる! +α!!
頭部外傷患者では要注意!!
-CRASH試験の結果
✓ステロイド投与群で高い死亡率
✓頭部外傷8hr以内にステロイドを投与した群で2weeks以内の死亡リスクが有意に上昇
ステロイド投与は臨床成績向上や頭蓋内圧を低下させるためには推奨されない!!
vol.09
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- その他
- 一般外科/麻酔科
頭部外傷患者では要注意!!
-ステロイド投与による高血糖の神経学的予後
✓高血糖は頭部外傷の重症度と有意に関連
✓生命予後と高血糖は関連しない!?
✓神経学的予後は??
脳灌流圧=平均動脈圧-頭蓋内圧
・循環の至適化
輸液における循環管理の考え方;Up t Date!
EGDT=Early Go Directed Therapy
・GDTにおける注意点;その壱
尿量を輸液管理の指標にすべきではない・・・
循環血液量が適当であっても乏尿のことはありえる。
vol.10
- その他
- 一般外科/麻酔科
- その他
- 一般外科/麻酔科
・ここでいただいた質問に。。。
Q; 避妊去勢手術後に限らずですが、麻酔手術後特に 犬で麻酔覚醒時、気管チューブ抜管後、とても甲高 い声で鳴く子達が多く、何とかならないかと考えていますが何かアドバイスいただけないでしょうか? 具体的な 麻酔法はプロポフォール導入後イソフルレンで挿管維持しております。麻酔1~2時間前にメロキシカム投与しています。疼痛管理が甘いのか、覚醒時の発揚だから仕方ないのか今回のテーマとずれていて済みませんがよろしくお願い いたします。
・先制疼痛の重要性の理解
痛みを感じる前に鎮痛薬を投与することで・・・
1. 痛みの増悪化を防ぐことが可能
2. 痛みを記憶させない
吸入麻酔薬や通常使用量の麻薬では侵害受容器からの神経伝達を完全に遮断することは不可能!=中枢感作の発生を防止できない!!
・発揚かどうかは・・・
麻酔覚醒前に鎮痛薬の追加投与 -術後鎮痛(~24時間)もカバーできるもの
ブプレノルフィン 0.01~0.02mg/kg, im
発揚(を疑う)状態が続くようなら鎮静薬の併用
-ベンゾジアゼピンの使用は?
-アセプロマジン 25~50μg/kg, iv
術中の疼痛管理の工夫 -局所麻酔薬の積極的使用
・例えば猫の去勢術の麻酔・疼痛管理
麻薬(ケタミン/モルヒネ)を使用したプロトコール
麻酔前投薬/導入薬:
-モルヒネ 0.2mg/kg
-メデトミジン20μg/kg 混合IM
-ケタミン 5mg/kg
局所ブロック:精巣内ブロック
2%リドカイン0.5-2.0mLずつ
左右の精巣に注入
最大で 6mg/kg
術後疼痛管理:術後にメロキシカム 0.2mg/kg SC 翌日から術後3日目 0.05mg/kg PO, SID
・例えば猫の去勢術の麻酔・疼痛管理
麻薬を使用しないプロトコール
麻酔前投薬:
-メデトミジン20μg/kg
-ブトルファノール0.2mg/kg
麻酔導入/維持:
プロポフォール to effect IV
or アルファキサロン to effect IV
局所ブリック:精巣内ブロック 2%リドカイン0.5-2.0mLずつ 左右の精巣に注入。最大で 6mg/kg
術後疼痛管理:術後にロベナコキシブ 2mg/kg SC 翌日から術後3日目 1mg/kg PO, SID
・例えば犬の去勢術の麻酔・疼痛管理
麻薬(ケタミン/モルヒネ)を使用したプロトコール
麻酔前投薬:
-モルヒネ 0.2mg/kg
-メデトミジン20μg/kg 混合IM
-ミダゾラム 0.3mg/kg
麻酔導入/維持:ケタミン5mg/kg IV 必要に応じて2.5mg/kg 追加IV
局所ブロック:精巣内ブロック 2%リドカイン1.0-5.0mLずつ 左右の精巣に注入最大で 8mg/kg
術後疼痛管理:術後にカルプロフェン 4mg/kg SC 翌日から術後5日目 4mg/kg PO, SID
・例えば犬の去勢術の麻酔・疼痛管理
麻薬を使用しないプロトコール
麻酔前投薬:ロベナコキシブ2mg/kg SC
-メデトミジン20μg/kg
-ブトルファノール0.2mg/kg 混合IM
麻酔導入/維持:
プロポフォール to effect IV
or アルファキサロン to effect IV
局所ブロック:精巣内ブロック 2%リドカイン1.0-5.0mLずつ 左右の精巣に注入最大で 8mg/kg
術後疼痛管理:翌日から術後5日目まで ロベナコキシブ 1mg/kg PO, SID
vol.11
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・ここでいただいた質問に。。。
Q;麻酔導入後、挿管してイソフルレン維持で手術ですが、自発 呼吸が停止してしまうことが多く、かといって挿管せずマスクで管理だと麻酔が浅くなりがちで腹圧が上がって手術を中断することが多く、麻酔管理が難しいのです。
挿管時呼吸が止まった時呼吸促進薬(ドキサプラム)など使用した方がよいのでしょうか?あるいは調節呼吸の間隔を開けてより低酸素状態にして自発呼吸を促す方向で管理した方がよいのでしょうか? 自発呼吸を促す方法でやることが多いのですが、結局手術終了まで自発呼吸が戻らないことがあります。
それでもよいのでしょうか?血圧は股動脈触診での確認ですがしっかりしている状態で手術中は推移しています。
・換気量の調節
脳血流(CBF)は酸素、炭酸ガス、pHなどの化学的因子により影響を受けるが、この中でもPaCO2に最も影響を受け、PaCO2が上昇すると、血管は拡張し、CBFは増加する。一方PaO2が50mmHg 以上になると脳血流(CBF)は増加する。
PaO2≦50torr、PaCO2≧50torrの状態は、いずれも脳圧が亢進するので早急に補正
一方、PaO2≧150torrではフリーラジカルが増加し、PaCO2≦25torrでは脳血流量が減少するので、PaO2は80~120torr、PaCO2は30~40torrに調整する。
・換気法”の理解
正常の換気状態とは?
呼吸数;1分間に8~12回
気道内圧;20cmH20以下
1回換気量;15ml/kg
SpO2 > 95%
EtCO2 ≒ 40mmHg
・脈圧の“落とし穴”
血圧の差(収縮期血圧-拡張期血圧)
差(脈圧)は同じ!50mmHg
脈が触れる≠平均血圧60mmHg以上
部位による違い
股動脈における脈圧 →収縮期60mmHg以下で触れなくなる
足背動脈における脈圧 拡張期40mmHg →収縮期80mmHg以下で触れなくなる
vol.12
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・質疑応答
お問合せよりご質問ください。