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開催日: 2015年3月8日(日)

<みんなの疑問解消編>肝臓・胆嚢・膵臓の内科

講師

坂井 学先生
日本大学 生物資源科学部 獣医学部 准教授

演題

肝臓・胆嚢・膵臓の内科

関連ハンドアウト(参考資料)

オンデマンド

Vol.01
  • 一般内科

●概要
肝酵素上昇の動物に遭遇したときの検査の進め方
胆嚢疾患について
●肝酵素
肝細胞障害:ALT,AST
 肝臓細胞障害であれば一般的に100%ALTが上昇する。
胆汁鬱滞:ALP,GGT
スクリーニング的には基本4項目測るべきである。最低限ALT,ASTは測定。
治療効果判定にも有益。
●肝機能不全?
7割程度の肝臓障害で肝機能不全
腹水や肝性脳症は肝機能不全だけでなく門脈圧更新が関与している。
総胆汁酸測定も肝機能評価に利用されている。

Vol.02
  • 一般内科

●肝機能の評価
(合成能)
アルブミンが低下していなくても肝機能が低下していることもある。
慢性肝炎ではアルブミンの低下は負の予後因子(犬)。猫ではあまりアルブミンが肝機能障害で低下することはない。
BUNの低下は先天性の門脈体循環異常で見られることがる。(犬)
アンチトロンビンを主に肝機能の機能評価に利用している。
(代謝・排泄)
ビリルビン、アンモニア、総胆汁酸で評価している。
猫は非常に黄疸を出しやすい。ただし肝性というよりは胆管系の指標として
●猫って?
猫の胆管炎は胆管周囲炎が多い。
肝性黄疸というよりは肝後性黄疸が多い。
肝リピドーシスだとアルブミンやBUNの低下がみられてくる。
シャントによる影響も受けにくいのであまりアンモニアも上がってこない。

Vol.03
  • 一般内科

●肝硬変
症例:ラブラドールレトリバー
症例:M.シュナウザー
●アメリカンコッカーの肝炎(ACSH)
繊維化が多く起こる。門脈圧の亢進が起こりやすい。
腹水を主訴にすることが多い。
炎症がメインというよりは繊維化がメインで、肝酵素は上がらないことが多い。

Vol.04
  • 一般内科

●AT活性
どれくらい肝機能が低下いているかの指標になる。
アルブミンでも指標にならないことはないが、変化の幅が小さいのでなかなか臨床向きではない。
●BTR?
DCAA-チロシン比で、門脈シャント時に低いと言われている。
フィッシャー比
慢性肝炎でも下がってくるので有効かもしれない。
猫はBTRで肝機能を評価するのは難しい? 
●NH3
採決後の時間、溶血などで測定時のアーチファクトが出やすい。
猫ではアルギニン欠損症や低コバラミン血症などで影響を受けやすい。
発作後に上昇? 発作が落ち着いた翌日などに測定しては?
●総胆汁酸
シャントの有無の判断。シャントがあれば高値。
先天性のシャントのスクリーニング検査として用いる。
日内変動があるので注意。
検査をする前にウルソは飲ませないほうがいい?

Vol.05
  • 一般内科

●門脈圧亢進症?
肝性、肝前性、肝後性に分けられる。
犬では肝性が多いと言われる。
通常5mmHg以下。
●肝臓の大きさ?
レントゲンにより肝腫大は肝後性、小肝症は肝性、肝前性とある程度考えられる。
●腹水と肝性脳症?
腹水は肝性、肝前性、肝後性どれでも現れるが、肝性脳症は肝前性、肝性。
●腹腔鏡所見

Vol.06
  • 一般内科

●本当に肝臓病?
大学病院に肝疾患疑いで紹介されてくる動物で実際に肝臓病でない一番多いのは膵炎。
他はクッシング、猫の甲状腺機能亢進症が紛れ込むので超音波検査を!
神経や筋肉の疾患、FIP、血液疾患などが紛れ込むので除外診断を!
●肝疾患以外の除外診断
●除外診断1(急性膵炎、犬)
急性症状(嘔吐、下痢、腹痛など)と黄疸がると肝疾患を疑うが、膵炎も考える。
肝酵素上昇があったらスクリーニング検査としてCRPやSprc(SNAP)を行うことも考える。
超音波での膵臓の評価、周辺臓器の評価
膵炎は総合的に診断していかないといけない。

Vol.07
  • 一般内科

●除外診断2-1(副腎↑、犬)
クッシングの約9割がALPの上昇する。
超音波での副腎の大きさの確認。
ACTH刺激試験
●除外診断2-2(甲状腺↑、猫)
高齢猫でALT、ALPの上昇
甲状腺ホルモン測定
甲状腺の腫大を触診、超音波で確認。
腹部の超音波検査
●除外診断3(神経・筋肉疾患)
若齢の犬猫では先天性のCPSSとの鑑別は総胆汁酸を複数回測定する。
ASTの上昇は筋肉?
ジステンパーなど感染症の除外も重要
●犬と猫の肝臓病
実際は重要な肝臓病あまり多くない
肝実質だと、炎症(慢性肝炎、胆管炎など)、変性(空砲性肝障害、肝リピドーシス、アミロイドーシス)、腫瘤・腫瘍(結節性過形成、肝細胞癌、胆管癌、腺癌、カルチノイド、リンパ腫など)に分けられる。
胆道系だと胆嚢(胆泥、胆嚢炎、胆石症、粘液嚢腫)、胆管(管外胆管閉塞)
脈管系だと先天性(先天性門脈体循環シャント、原発性門脈低形成、肝動静脈ろう)、後天性(門脈血栓症、後天性門脈体循環側副路)

Vol.08
  • 一般内科

●肝疾患の鑑別診断
画像診断、特に腹部超音波検査が重要。
●右側が重要です。
肝酵素を上昇させる要因が多い。
門脈の右側からが見やすい。
●Right Lateral Intercostal approuch
●左側
後天性門脈体循環側副路
●特に右側肋間・背側
まず右側腎臓を描出することを心がける。

Vol.09
  • 一般内科

●肝実質の評価?
びまん性病変の評価は難しい。(犬では肝炎が多い)
肝臓の表面が不整かどうかを確認する。不整があれば肝生検を行う。
エコー源性の変化だけでなかなか判断は難しい。
腹水を伴うアメリカンコッカー特有の肝炎に注意。
●肝表面
●超音波で疑うことができる疾患は?
肝臓実質:腫瘤病変、肝リピドーシス
●総胆管
十二指腸と門脈の間
●EHBO=胆嚢、総胆管拡張?

Vol.10
  • 一般内科

●肝外先天性門脈体循環シャント(CPSS)
肝外の門脈シャントは診断しずらい。
●PVT(門脈血栓症)の出現ポイント?
右側肋間は門脈本幹ー右分岐、左側は脾門部ー脾静脈を確認する。
急性膵炎の後、肝炎、肝硬変のステロイド療法中。
●超音波で疑うことが難しい疾患は?
初期の肝炎、猫の胆管炎などは難しい。
●猫の胆管炎
総胆管の拡張、肝内胆管の拡張、胆石、膵臓の腫大などから推測。
肝臓だけ見ても猫の胆管炎の診断は難し?
●胆管炎
多くはリンパ球性胆管炎と診断されることが多い。
●リンパ球性胆管炎
●高分化型リンパ腫
●胆管炎の診断
●猫の三臓器炎?
実際三臓器全てに炎症があることはない。
●肝臓病の鑑別診断

Vol.11
  • 一般内科

●CT検査
適応は肝マス、胆道系疾患、門脈疾患
●APSCsが確認されたら
●肝臓のFNA
肝臓腫大、エコー源性の異常、リンパ節腫大、脾臓、病理と一致?
●肝臓のFNAの方法
基本安全だが、血小板やフィブリノーゲンの低下は重度の出血の可能性がある。また、肝臓のアミロイドーシスも破裂する可能性がある。
必ず吸引する。
●リンパ球性胆管炎→肝リピドーシス
●肝生検
適応は肝実質性の疾患、胆道系、門脈の疾患
●肝生検のタイミング
症状がなくても肝酵素上昇の場合も肝生検を行う。
無症状でも3ヶ月数値が高ければ行うといいのではないか?
超音波検査で異常がある場合も臨床症状がなくても生検を行う。
●臨床症状のないTBAの上昇
飼い主が望むなら臨床症状がないくても行う。
●原発性門脈低形成の治療
無症状なら経過観察。
症状があるなら療法食や薬剤(メトロにダゾール、ラクツロース、スピロラクトンなど)を用いる。

Vol.12
  • 一般内科

●肝生検
猫ではトゥルーカット肝生検は迷走神経刺激で死亡することがあるので禁忌。
●超音波ガイド下肝生検
中型〜大型犬、肝腫大した場合くらい?
●腹腔鏡下肝生検
必ず数カ所生検サンプリングする。
●開腹下肝生検は?
びまん性の場合はトゥルーカット肝生検などより開腹下肝生検がいいのでは?
数カ所採材するのがいい。
●肝組織中銅濃度の測定?
銅線色により初期判定して測定したほうがいい。
●病理医と相談を・・・
●胆嚢疾患の肝生検
胆嚢摘出をするのであれば必ず行う。
●臨床症状のない胆嚢疾患は?
胆嚢粘液嚢腫は基本的に手術適応であることを伝える。
胆石症は症状がある場合は手術適応。そうでない場合は内科療法も。
無症状であれば一概に手術適応とは言えない。
●胆嚢粘液嚢腫の破裂
●まとめ 

動画要約(全文)

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