Home / VMNセミナー情報 / 疼痛管理セミナー2015 [疼痛管理における現在のコンセプト]

VMN セミナー情報

  • 専門医に学ぶ講演会
  • 科目
開催日: 2015年3月18日(水)

疼痛管理セミナー2015
[疼痛管理における現在のコンセプト]

疼痛管理における現在のコンセプト

講師

Ilsi Medearis DVM, CVA
Solano-Napa Pet Emergency Clinic

関連ハンドアウト(参考資料)

オンデマンド

Vol.01
  • 一般外科/麻酔科

●なぜ行うのか?
↑ 患者の安全性、↑ 快適さ
●麻酔をより安全にする
↓ ストレス/不安
↓ 麻酔導入薬と維持薬
↓ 心血管抑制作用
結果 → より良い患者のケア/転帰
●複雑な経路
●なぜか?
痛覚経路は“記憶”を保持する – そのため、生まれる時から管理することを考慮する。
経路が“感作”されると、疼痛反応を管理するための薬剤の量が増える
可能であれば、想定される事象が起こる前に開始する
患者のストレスを低減し、ワインドアップを防止する
治療は個々の患者ごとに行う!

Vol.02
  • 一般外科/麻酔科

●麻酔前投薬/鎮痛薬の従来とは異なる使用法
ブトルファノール
 主にカッパ作動薬 - 作動性/拮抗性の混合作用
 鎮静が鎮痛よりも長く続くことがある
 鎮痛作用は完全に失わずに、望ましくないミュー作用を拮抗できる – ミュー作動薬の用量を下げる、またはナロキソンで拮抗するよりも良い
ブプレノルフィン
 部分的ミュー作動薬
 作用発現が遅い
 中程度の鎮痛
 長時間作用性
 副作用は殆ど無い
 ↑ 用量= ↑ 時間> ↑ 鎮痛の強さ
 ミュー作動薬とは相加性であり、おそらく相乗性もある
●トラマドールによる効果的な鎮痛??
昨年からアメリカでは指定薬剤
ミュー作動性+モノアミン再取り込み阻害
M1代謝物=主に鎮痛
M2 と M5=犬での主な代謝物 (Giorgi et al 2009)
M1=犬では血漿濃度が↓
投与量と投与間隔???
主にセロトニン作動性+ノルアドレナリン作動性作用???
猫では味がよくないのであまり使われていない。

Vol.03
  • 一般外科/麻酔科

●NMDA受容体拮抗薬
激痛または慢性痛によるCNS“感作”
一部はNMDA受容体の活性化により生じる
これらの受容体を遮断すると:
 他の鎮痛薬の機能↑
 オピオイド受容体の感度↑
 オピオイド耐性を低減
 オピオイド休止に伴う反跳性の痛覚過敏↓ .
神経障害性および侵害受容性のどちらも非常に効果的に遮断する
●麻酔域下ケタミンCRI
輸液に添加するだけで、鎮痛↑および吸入麻酔薬↓?
安全、安価であり、心血管系と呼吸器系パラメータを改善すると思われ、高い安全域を持つ
より痛みの強い処置には、オピオイド+/-リドカインと併用可能だが、単剤としても使用できる
●麻酔域下ケタミンCRIレシピ:
初めにケタミンを0.25 – 0.50 mg/kg IVでボーラス投与する
晶質液1L当たり60mg(100mg/mlの製剤であれば0.6ml)を添加する
10ml/kg/時でIV輸液する(=ケタミンは10mcg/kg/分になる)
術後のIV輸液は標準の2ml/kg/時(=ケタミンは2mcg/kg/分) – 低用量になるため、最大で維持量x4までOK
●International Veterinary Academy of Pain Managementによる声明:
“ケタミンには疼痛の抑制と抗痛覚過敏作用という潜在能力があり、また、麻酔域下用量で行う持続点滴は低価格で安全域が高いことから、リスクのある患者の周術期疼痛管理においては、臨床医は可能限り集学的アプローチの一部としてケタミンを取り入れることを考慮すべきである”
●麻酔域下ケタミンCRI
多数の整形外科/整形外科以外の症例に前投薬のオピオイド+/-硬膜外と併用したところ、事例的ではあるが、イソフルラン/セボフルランのMACが減少し、さらに覚醒の改善/時間短縮が認められた(Gregory)。
選択的(待機的)手術にも取り入れてはどうだろうか?? 避妊・去勢手術、創傷部の修復術、腫瘤摘出、歯科??
膵炎、出血性胃腸炎のように痛みを伴うその他の疾患に使うのはどうか??
続けてアマンタジンを経口投与するのはどうか? 事例的情報 – 有用性はあるかもしれない

Vol.04
  • 一般外科/麻酔科

●NMDA受容体拮抗薬 - 経口
アマンタジン
 当初、抗ウイルス薬として開発された
 ヒトのパーキンソン病、多発性硬化症に使用される
 パルス療法的または持続的に投与できる
 副作用はまれに起こる(興奮/激越、食欲低下、下痢)
 猫に有用
 NSAIDs、トラマドール、経口モルヒネと併用できるほか、NSAIDsを耐容できない患者に使用できる
 MAOI、SSRI、およびTCAと併用しても実質的な心配はない
 1日1回投与
 尿中に排泄されるため、腎疾患では用量を下げる
●その他の経口薬
ガバペンチン
 抗痙攣薬
 慢性、神経障害性および
 がん性疼痛に有用
 背角のCaイオンチャネルを遮断
 術前使用 – 特に慢性の
 maladaptive pain(不適応な疼痛反応)の場合。
 液剤を避ける → キシリトールを含むため(アメリカの人の製剤)
 反跳疼痛を避けるため徐々に離脱させる
アミトリプチリン
 TCA
  ↓ モノアミン再取り込み
  オピオイド受容体活性?
  NMDA/Naチャネル受容体を遮断?
 他のTCA、SSRI、MAOI(トラマドール)との併用には注意する
 アマンタジンとはOK
 痙攣発作閾値を下げる
 抗コリン薬 – 麻酔/心臓病患者では要注意
●局所麻酔薬(リドカイン/ブピバカイン)
十分に利用されていない – 術中
切開前に使用すれば、上行性の侵害刺激を防止する
裂傷、腫瘤、腹部切開創
イソ/セボフルランのMAC 減少を促す
術後の快適性を高める
抗炎症/抗菌作用?
生理食塩水で希釈可能 – 大型の創傷部では濃度よりも容量の方が重要である。
希釈は作用時間を短縮するが、ブプレノルフィン/モルヒネの添加によって長くできる
ブピバカインは決してIV投与してはならない!

Vol.05
  • 一般外科/麻酔科

●質疑応答

動画要約(全文)

VMN セミナーに関するお問合せ
不明な点がございましたら、
お問合せよりご質問ください。