VMN セミナー情報
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開催日: 2015年9月30日(水) |
画像診断セミナー2015
2. 肺のX線:肺胞パターンと間質パターン-違いはあるのか?
3. 消化管X線撮影によくある間違い
講師
School of Veterinary Medicine
Purdue University
W. Lafayette, IN
演題
関連ハンドアウト(参考資料)
オンデマンド
1.胸部X線検査と心疾患 心臓と肺の血管 vol.01
- 画像診断
- 循環器科
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- 画像診断
- 循環器科
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・概要
イントロダクション
技術的注意点
正常なX線画像
異常なX線画像
・序論
心血管の解釈は非常に難易度が高い
ポジショニング、心臓、呼吸の影響を受ける
心陰影 – 心臓だけではない
心臓
心膜、脂肪、液体
品種や動物種による変動
猫と犬では大きく異なる
・序論
心エコー検査を行う前に必ずX線撮影を行うこと!
X線検査と超音波検査から相補的な情報が得られる
X線検査:大きさ-形状、うっ血性変化
超音波検査: 運動性、心腔サイズおよび壁厚、血流
・技術的注意点
・投影法-X線撮影像
腹背方向、背腹方向どちらでもよい。
VD像で撮影した場合は横隔膜領域に膨らみが3つできるので、DVと見分けがつく。
・投影法-X線撮影像: 常に議論されている-どれがベストか?
答え: 不明
事実:
放射線専門医はVDを好む
心臓病専門医はDVを好む
肺の尾側が肝臓に重なる –DV
DVでは血管が拡大される
心臓の形状が異なる
どちらもポジショニングが正しくない場合がある
・投影法-X線撮影像
左ラテラル、右ラテラル。心臓病が疑われるのであればどちらも撮影。
左ラテラルだと横隔膜がYライン、右ラテラルだと平行ライン。
左ラテラルだと右葉と左葉の前葉の血管が重ならない。右ラテラルだと交差することが多い。
1.胸部X線検査と心疾患 心臓と肺の血管 vol.02
- 画像診断
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- 画像診断
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・ポジショニングの問題
ラテラル投影像
胸骨が“落ちている”
横隔膜に中心を置く
ランドマークを利用する
胸骨柄、肋骨
・胸骨が落ちていると肺野尾側の血管の視覚化が妨げられる
・ポジショニングの問題
腹背投影像
サンドバッグ、スポンジを使用する
胸骨が見えるようにする
頭頚部と胸部が一直線になるよう保持する
・傾斜したVD投影像ー心陰影と下側の肺を評価できない
・正常なX線所見
心臓の大きさ
主観的
心臓が胸腔に対して大きすぎるのでは?
だとしても、正常を知っておく必要がある…
客観的
1. 正常 = 肋間腔
犬 ~ 3
猫 ~ 2.5
2. 椎骨心臓(VHS)スコア(必ずラテラル像で行うこと)
犬 = 9.7 (+/-0.5)
猫 = 7.5 (+/- 0.4)
問題点:
1.品種によって幅広く変動する
2.正常状態でも心拡大になる
3.疾病状態でも正常な大きさになる
4.操作者による変動
1.胸部X線検査と心疾患 心臓と肺の血管 vol.03
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・正常が意味するものとは?
統計学的: “平均” とはデータの68-95%だけを見ている
平均=9.7+/0.5
8.7-10.7 は正常に入る可能性がある。
・心臓の大きさは心臓周期と投影法によって変動する(動画あり)
1.胸部X線検査と心疾患 心臓と肺の血管 vol.04
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・正常な肺血管系
テラル像では動脈は静脈の背側にある.
肺動脈 は対応する静脈と同じかやや細い
肺静脈は動脈よりも急速に先細になる
・肺静脈の太さ
僧帽弁疾患とうっ血のあるテリア
隣接する肺葉動脈と比較する。
・肺動脈の太さ
VD像では動脈は静脈の外側にある。
Bahr, RJ: Textbook of Diagnostic Veterinary Radiology, 4th ed 2007
第9肋骨(8,9,10肋骨)がクロスしているところの肺動脈と肋骨がクロスしているところで判断。
・正常な変化
高齢猫では大動脈弓が拡張している – 偽腫瘤
・心膜脂肪は心拡大のように見える
・狭い胸腔は心陰影を圧迫する
原因
形態:バセット、コーギー、ダックスフント
漏斗胸
1.胸部X線検査と心疾患 心臓と肺の血管 vol.05
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・異常なX線写真 ケース・スタディ
・発咳および好酸球増多症がみられる8歳のポインター
犬糸状虫症
・太い血管が常に存在する訳ではない – 大半の犬は寄生虫体数が少ない
間質パターン
右心拡大(胸骨と接する部分の拡大)。軽度の動脈拡張
・猫の犬糸状虫症
猫は好ましい宿主ではない
寄生虫体数は少ない
ミクロフィラリアは陰性
ELISAは正確性に欠く
猫の「気管支炎」(末梢気道病変など)と混同されやすい
・病態生理学-猫の犬糸状虫症
急性: 5期幼虫および成虫の死
“急性肺傷害”
末梢気道および間質に罹患する
X線検査 = 間質、肺胞パターン、(気管支パターンのこともある)、猫の”喘息”と似ている
1.胸部X線検査と心疾患 心臓と肺の血管 vol.06
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・病態生理学-猫の犬糸状虫症
慢性: 血管周囲反応, 細動脈過形成および血栓
X線写真 = 肺性心
・突然死症候群
犬よりも猫に多い
病因は不明
循環虚脱?
梗塞?
大量の抗原放出
新たな理論
X線写真 = 多様であり、 肺水腫が認められることもある
・心エコー検査
一般に情報はほとんど得られない
感度が低い
成虫は通常、肺動脈内に存在する
超音波で描出しにくい
・糸状虫症によるX線画像上の変化は治療後に消散するか?
重症度による
動脈内膜炎が重度であれば消失する可能性は低い
肺胞病変はすべて消散するはずである
1.胸部X線検査と心疾患 心臓と肺の血管 vol.07
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・心雑音と喘鳴のある9 歳の短毛雑種猫
心不全を伴う肥大型心筋症:心拡大、肺水腫、胸水(フィッシャーライン)
心不全の猫で発咳を認めることは稀。
・猫の心筋症
心陰影は正常かもしれない
心室内の肥大
・心エコー検査による確定診断
肥大型が最も多い
拡張型も起こり得る
未分類型(”拘束型”)は診断が困難である
・発咳を呈する7 歳のボクサー
・ボクサーには”ボクサー心筋症”がある? (ARVC 不整脈源性右室心筋症)
可能性は低いが、所見は僧帽弁疾患と一致する.
X線検査や超音波検査からではARVC は確実に診断できない
心電図検査やイベントモニターで確認するのが最も良い
1.胸部X線検査と心疾患 心臓と肺の血管 vol.08
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- 呼吸器科
- 画像診断
- 循環器科
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- 呼吸器科
・左心不全
犬では一般に僧帽弁疾患によるもの
左心拡大
静脈拡張
肺水腫
以前ははじめは肺門から起こると言われていたが、現在はどこにでも起こることがわかった。
1st 間質性
一過性
2nd 肺胞
古典的な肺門周囲パターン:常に存在する訳ではない
・肺胞性水腫/左心拡大
・犬の僧帽弁疾患に関する注意 (心内膜症)
多くの動物はおそらく 心臓病薬によって過剰に治療されている
放射線専門医には治療法を尋ねないほうがよい
心不全の有無を確認するにはX線検査が最適である
心腔サイズ、運動性および弁膜機能を確認するには心エコー検査が最適である
・左心房拡大
気管圧迫により発咳することがある
腫瘤と混同される
1.胸部X線検査と心疾患 心臓と肺の血管 vol.09
- 画像診断
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- 画像診断
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・心雑音のある 10 歳の短毛雑種猫
細長い心陰影、バレンタイン型の心臓
左心房拡大と両心房拡大を区別することはできない。Oura, et al, Vet Rad & US. 2015 vol. 56, no. 3, p245
・心雑音のある4ヵ月齢のプードル
・PDA-古典的所見
全体的な心拡大
VD / DVにおける3箇所の隆起(大動脈、主肺動脈、左心耳)
肺の過剰循環
1.胸部X線検査と心疾患 心臓と肺の血管 vol.10
- 画像診断
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・発咳を呈する12 歳のブルドッグ
・心基底部腫瘍
短頭種に多くみられる
X線検査による識別は困難
気管の右方変位が重要な手掛かりになる
右心房または化学受容体から発生する
・造影CT検査が最も正確である
・超音波検査は有用か?
次の場合は有用である:
自分自身が腕の良い超音波検査者である
音響窓が適切である
心膜液がある
患者が協力的である
・食欲不振と嘔吐を呈する5歳のドーベルマン
・小心症
血管系も細い
大血管
肺血管
鑑別診断
循環血液量減少
ショック
脱水
副腎皮質機能低下症
・6歳 雑種, 発咳を呈する、犬糸状虫検査陰性
・肺性心-犬糸状虫以外の-誘発原因
慢性呼吸器(閉塞性)疾患 COPD
慢性的な肥満
非糸状虫性血栓塞栓症
内分泌障害、敗血症、血液凝固障害
・質疑応答
2.肺のX線:肺胞パターンと間質パターン-違いはあるのか? vol.01
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- 画像診断
- 循環器科
- 一般内科
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・肺胞パターンと間質パターン-違いはあるのか?
もちろん答えはイエス! (放射線専門医であれば常にイエスと答える…)
肺胞性と間質性の区別は、胸部X線画像を読影する“コンパートメント”アプローチの一部である
・胸部X線画像は伝統的に“コンパートメント”または“パターン”アプローチによって診断されてきた
縦隔、胸膜腔、肺胞、間質、血管、気管支、胸壁
・なぜコンパートメント(パターン)アプローチなのか? (1)
系統的評価を行いやすい
病変の見落としを回避するのに役立つ
診断的な不確実さを低減する
除外リストを短くする
批判的思考を促す
罹患しているのはどの肺構造か?
何が機能的変化を起こしているのか?
・落とし穴(8歳の雑種犬 持続性の発咳)
コンパートメント モデルでは、肺の一部だけが罹患していると仮定する
肺胞パターン
間質は罹患しているのか?
・技術的な注意点
必ず三方向から撮影すること
下側の肺は重力によって膨張不足になる
下側の肺にある病変は鮮鋭度が低下する
全身麻酔下にあると膨張不足はさらに重度になる
・脾臓腫瘤の病歴があるラブラドールレトリバー
右肺に軟部組織腫瘤
・腫瘤はX線左ラテラル像で最も明確に観察できる
2.肺のX線:肺胞パターンと間質パターン-違いはあるのか? vol.02
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・肺胞性と間質性
肺胞性
気腔末端部の罹患
サイン(エアーブロンコグラム、肺葉分布、硬化(または無気肺))
間質性
肺の間質の罹患
サイン(無構造性-びまん性陰影または不鮮明、結節性環状、線状陰影)
・正常な肺
気腔末端部は黒色
気管支および
第一次細気管支が観察される
・エアーブロンコグラム
気腔末端部内の
液体や細胞により気管支にコントラストを生じる
・2歳のゴールデンドゥードゥル、 細菌性肺炎
肺門の近くではエアーブロンコグラムを評価してはいけない。
エアーブロンコグラムは通常ラテラル像のほうが見やすい。
・2歳のゴールデンドゥードゥル、 細菌性肺炎
・エアーブロンコグラムは、ラテラル像の方が見えやすい
・肺葉分布 - “肺葉サイン”
正常な肺によって、病的な肺とのコントラストを生じる
肺が分葉化していること、即ち、葉区分によるもの
以下には認められない(馬、霊長類)
・プードル、 抗菌剤に反応しない慢性肺炎
2.肺のX線:肺胞パターンと間質パターン-違いはあるのか? vol.03
- 画像診断
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- 一般内科
- 呼吸器科
- 画像診断
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- 一般内科
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・硬化 vs. 虚脱
硬化-
肺容量は正常〜ほぼ正常
肺胞と細気管支に液体や細胞が充満している
エアーブロンコグラムは認められない
虚脱(無気肺)
肺容量は減少
肺胞と細気管支は圧縮されているが、液体や細胞はほとんど含まない
軽度の虚脱ではエアーブロンコグラムが認められ、重度の虚脱では認められない
・硬化
X線不透過物を満たした末梢気道
正常な肺容量に注目
・右中葉の硬化
肺容量は正常なので虚脱は考えにくい
10歳のシャムネコ 慢性、発作性の呼吸困難 可能性の高い診断 = “喘息
・交通事故に遭ったポインター
骨折やヘルニアはないが、出血/挫傷により左肺がほぼ硬化している
・虚脱
末梢気道の虚脱
・交通事故に遭ったラブラドール
緊張性気胸による虚脱
・5歳のテリア、 慢性閉塞性肺疾患
右中葉は慢性閉塞性疾患および膨張不足によって虚脱している
2.肺のX線:肺胞パターンと間質パターン-違いはあるのか? vol.04
- 画像診断
- 循環器科
- 一般内科
- 呼吸器科
- 画像診断
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- 一般内科
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・肺胞パターンの原因
肺胞(および間質)パターンは、臨床症状とシグナルメントを関連付けて評価すべきである。臨床的な所見なくしてレントゲン像だけで診断してはいけない。
肺炎(細菌性、ある種の真菌性、吸引性)
浮腫
出血/挫傷
気胸
肺葉捻転
腫瘍
・2歳の雑種犬 再発性の発咳発作 - 抗菌剤に一時的に反応する
左前葉後部に、充実性のX線不透過像
右前葉のびまん性不透過像
-右胸膜腔にフィッシャー・ライン
・鑑別診断:
腫瘍? 心疾患? 真菌症? 捻転? 肺炎/硬化
・何が起こっているのか?嘔吐で来院した患者
バリウムの誤嚥(ほとんどは肺炎なども起こず、何もしなくても発咳で出て行き、リンパ系に吸収される)
2.肺のX線:肺胞パターンと間質パターン-違いはあるのか? vol.05
- 画像診断
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・肺間質
細気管支、肺胞壁および中隔、巨視的な血管、毛細血管、リンパ管
基底膜、潜在空間、間質結合組織、肺胞を裏打ちする細胞、マクロファージ
・正常な肺間質-X線写真ではどう見えるのか?
細気管支、巨視的血管
微小血管は見えない
・二次元画像-間質は様々な陰影が重なり合った像である
・偽の肺間質パターン
間質パターンは膨張不足によって増加する。よくある間違い!
・ラテラル像 対 腹背像
ラテラル像では、腹背像よりも間質陰影が強く出る
・肺間質パターン
主なタイプは2種類(無構造性、構造性)
・無構造性間質パターン
過剰に診断されている。鑑別診断に入ってくるリストは非常に多い。
非特異的
鑑別診断は多い(正常の場合もある、くずかごカテゴリー)
症例:電気コードによるショック損傷
2.肺のX線:肺胞パターンと間質パターン-違いはあるのか? vol.06
- 画像診断
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・無構造性間質パターン
微小不透過物がX線を散乱させる
間質腔内に液体や細胞が存在する
何が見えるのか?
ベールで覆われたような(不明瞭な)像
不鮮明な境界
線状陰影の増加
・無構造性間質パターンの一般的な原因
膨張不足/露出不足 – 肥満
末梢気道疾患
初期の浮腫
軽度の出血
びまん性の転移
リンパ腫
肺炎 – “間質性”肺炎
回復期の肺胞疾患
線維症
正常(年齢?)
・6 歳の短毛種猫 運動不耐性、多呼吸、および時おり生じる発咳
びまん性もや状の肺野
拘束性肺疾患– 慢性的な膨張不足
・無構造性間質パターン – 非心原性肺水腫
6歳のゴールデンドゥードゥル雑種 、電気のコードを噛んだ
2.肺のX線:肺胞パターンと間質パターン-違いはあるのか? vol.07
- 画像診断
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・構造性間質パターン
結節性/腫瘤病変
気管支周囲の陰影
・結節性間質疾患
分類
充実性(軟部組織、ミネラル/骨)
腔(ガス充満性、液体充満性)
– X線学的には検出できない
症例:発咳している屋外飼育猫
・結節性間質疾患
間質のいずれの成分からも発生する
3mmの大きさになって初めて検出される
2.肺のX線:肺胞パターンと間質パターン-違いはあるのか? vol.08
- 画像診断
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- 画像診断
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・結節性疾患の主要な鑑別診断
腫瘍(転移性、原発性)
良性病変のこともある
真菌症(ブラストミセス症、ヒストプラズマ症)
・ヒストプラズマ症 vs. ブラストミセス症
“ヒストプラズマ症”
結節、胸部リンパ節
“ブラストミセス症” -複数の区画
結節、腫瘤、びまん性間質性、肺胞性、+/- 胸部リンパ節
・転移 vs. 正常な血管のエンド-オン
2.肺のX線:肺胞パターンと間質パターン-違いはあるのか? vol.09
- 画像診断
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- 画像診断
- 循環器科
- 一般内科
- 呼吸器科
・粟粒性間質パターン
びまん性結節 – 3-4 mm
警告!
軟部組織の場合-血行性またはリンパ行性に拡がった典型的な播種性転移
真菌性
腫瘍性
石灰化している場合、肺の骨腫(石灰沈着症)に一致
良性
・4歳のピット・ブル 発咳と体重減少
ブラストミセス症発生地域に住んでいる
・10歳、雄のウィペット転移のスクリーニングのために来院
・気管支周囲の陰影
間質内ではなく、気管支疾患から二次的に生じることがある…
10歳の猫 発作性の呼吸困難 “猫の喘息”
過去に煙を吸入した慢性気管支炎の犬
3.消化管X線撮影によくある間違い vol.01
- 画像診断
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- 画像診断
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・消化管撮像の解釈に影響を及ぼす腹部X線撮影の問題
1.対象のコントラスト不良
2.不均一な厚み
3.重なり合い[重複、上に重なる]
4.殆どの患者は、n.p.o.(経口摂取禁止)であるため、飲食物が問題になることはない
・簡単に診断できる場合もある...
ラブラドール・レトリーバーが、クリスマスツリーのライトを食べてしまった
対象のコントラストが十分にある
・対象のコントラスト不良
内在する問題
– 対象のコントラスト
脂肪、ガス、軟部組織
最善策 = デジタルX線のビルトイン・コントラストは、アナログを上回る
・忘れられている解決策 =上部消化管造影検査
バリウム、有機ヨウ素化合物(Renografin ®、Hypaque ®、イオヘキソール)
3.消化管X線撮影によくある間違い vol.02
- 画像診断
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- 一般内科
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・重なり合い
構造体の重なりが解釈を混乱させる
– 複数方向からの撮像が必要である
持続性嘔吐を呈する犬の症例
・重なり合いを克服するには
・殆どのミスは以下の原因による:
技術的な部分に問題がある
– 撮影像の数が不十分である。
読影パターンが不適切である。
判断が不正確である
正常と異常を識別できていない。
・消化管の解釈でしばしば生じる間違い
食欲不振のラブラドール・レトリーバー過去に2回、同じ問題で手術をしている。
・手術でほ乳瓶の乳首を19個摘出!
3.消化管X線撮影によくある間違い vol.03
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・1.不完全な検査
持続性嘔吐を呈する2才の雑種犬
単純X線撮影
– 拡張した小腸
– 造影検査が指示された
4時間経過観察したが嘔吐が持続していたために造影検査が指示された。
・造営検査レントゲン所見
胃造影検査の直後、第0分の画像は正常であった]
15 分後:造影剤がストップ
30 分後:造影剤が何かの脇をすり抜けようとしている?
60分後:あまり変わらない
75分後:少し抜けたようだがそれでも造影剤はほとんどストップしている。
3 時間後:胃はほとんど空になり、殆どの造影剤が結腸に移動している。
試験的開腹術を実施した
空腸に靴下が見つかる-部分閉塞
バリウムを投与し、3-4時間後に撮影するだけの“近道”的な検査を行う獣医師もいるが、部分閉塞を見逃す可能性があるため、危険である
・一般的な異物
靴下、下着、ストッキング、石ころ、ボール、かじるおもちゃ、トウモロコシの芯、骨、髪ゴム、髪飾り、棒、プラスチック、硬貨
3.消化管X線撮影によくある間違い vol.04
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・2.左ラテラル像を活用しない
幽門洞に液体を満たしているのか、それとも腫瘤?
・左ラテラル像
気体で満たされた幽門洞がしっかり見える。
十二指腸も綺麗に写ることがある。
・3.壁厚の過大評価
これらの腸管ループで肥厚しているものはあるか?
・腸のX線撮影投射
キームス(びじゅく、糜粥、消化粥)で充満されているとX線不透過で白く写る。
・IBDによる持続性嘔吐の6才、在来短毛種猫
肥厚が重度であれば、診断の信頼性は高い
・壁厚に代わるもの—小腸の直径をみる
猫:~12 mmが正常
・壁厚に代わるもの—小腸の直径をみる
犬
L2またはL5の高さとほぼ等しい。2倍以上:おそらく異常である
・壁厚については超音波の方が優れている
厚みを評価する
層状構造の変化を見つける
IBDなどで肥厚するのは筋層の部分であることに注目する。
3.消化管X線撮影によくある間違い vol.05
- 画像診断
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・4.不適切な造影検査
嘔吐を呈する5歳のドーベルマン
バリウム検査が適応か?
・造影検査を実施しない理由
明確な異物
穿孔の疑い
閉塞の徴候
内視鏡および超音波が利用可能
・内視鏡と超音波
造影検査の適応を減らす
単純X線画像は正常だが、消化管症状は続いている
–内視鏡または超音波検査に進むことを考慮する
3.消化管X線撮影によくある間違い vol.06
- 画像診断
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・5.単純X線画像上の徴候を見逃す
食欲不振を呈するラブラドール・レトリーバー
2方向からの撮像が役立つ!
・巨大食道症を認識できない
慢性嘔吐を呈するビーグルという主訴だったが、実は吐出だった。
・VD像では鮮明さに欠ける
漏斗形のガスパターンを捜す
肺の血管を差し引いて見なければならない
・胃捻転と胃拡張を混同する
急性胃拡張(AGD) vs. 胃拡張・念転
AGD は円形から楕円であり、区画化は無い
GDV には区画化がある
・区画化とは?
3.消化管X線撮影によくある間違い vol.07
- 画像診断
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・線状異物による小腸のプリーツ形成を見逃す
集合または三日月形をした房状のガス像
・腹腔遊離ガスを認識できない
・遊離ガスを確定するためのポイント:
横隔膜の前後にガスの陰影を見つける
体勢がガスの分布に与える影響を考える
適切な読影パターンを実践する
・レッチング(嘔吐動作)を呈する5歳のセッター
GDV180度捻転
10cmの視野-先鋭な視覚
3.消化管X線撮影によくある間違い vol.08
- 画像診断
- 循環器科
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- 画像診断
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・小腸イレウスを誤解している
イレウス ≠ ガスの増加
イレウス = 通過不全
–生理学的概念
–消化物が反口側へ移動できない
分類
–機械的
–機能的
・機械的 vs 機能的イレウス
機械的
– 閉塞した腸を意味する
異物、捻転、軸捻転
蠕動 +
機能的
– 腸は開存していることを意味する
血管性または神経筋の障害
蠕動 −
・小腸イレウス- 機械的イレウスの重要なポイント
7才のラブラドール、靴下を食べたかもしれない
結腸と盲腸の位置を確認
X線画像を左右ラテラル像で連続して撮影する
正常な腸管を探す
正常径の2倍の腸管ループを探す
次のステップは1〜2時間おいて再度撮影してみる。
閉塞の兆候や異物を基準に当てはめて発見し、手術すれば必ず異常が見つけられるわけではないが、85~90%は発見できるので、発見できなかったら遅れたりすることを防げる。
3.消化管X線撮影によくある間違い vol.09
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・正常を異常と間違える
腹腔内の石灰化物—”腹膜石”。正常な猫で一般的
脂肪が脱落したものが石灰化したもので、腹腔内を動き回るが害はない。
・パイエル板を潰瘍と間違える
偽潰瘍は粘膜に覆われていないリンパ組織の領域である。バリウム検査で凹んだように見えるが潰瘍ではなく、正常。
パイエル板は十二指腸にしか存在しない。
・結腸や盲腸を小腸と混同する
ラテラル像では難しい
・結腸と盲腸の位置を確認する:
結腸と盲腸の位置をVD像で必ず確認し、ラテラル像と比較する。
通常、盲腸は気体で満たされているため犬ではよく見えるが、猫では常に見えるわけではない。
バリウム注腸を行い下行結腸を不透過にしても良い
・結腸はどこか?
バリウムによるマーキング浣腸で見つける。60mlほどのバリウムを注腸する。
尾部を持ち上げてバリウムを頭側に移動させて撮影するといい。
3.消化管X線撮影によくある間違い vol.10
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・上部消化管画像で正常な猫の十二指腸の解釈を誤る
“真珠の首飾り”様(数珠状)の陰影は、正常な蠕動運動に起因する
粘膜ひだに起因する線状の陰影欠損
小腸ループは以下のようにはなっていない点に注意する
– プリーツ状
– 短縮
(線状異物で見られる)
・線状異物
上部消化管の重要な所見
短縮した部分がある
“プリーツ状になる”
充填陰影欠損
通過遅延
正常な腸管の存在
・線状異物では造影検査を必要としない場合が多い
・内容物が入っていない胃の解釈ミス
胃の皺襞が畳まれて偽の肥厚を起こす
猫では壁内脂肪があり、X線透過性の帯を生じる
・内容物の入っていない犬の正常な胃
・覚えて帰ってほしいこと
一生懸命取り組む(日本では問題ありませんね)
ミスは以下によって避けることができる:
適切なテクニック
正常を知る
間違いから学ぶ
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