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VMN セミナー情報

  • 専門医に学ぶ講演会
  • 科目
開催日: 2016年2月17日(水)

整形外科セミナー2016

関節疾患の治療指針 総論

講師

林 慶先生
DVM, MS, PhD, Dipl.ACVS, JCVS
Associate Professor, Section of Small Animal Surgery
Cornell University

演題

関節疾患の治療指針 総論

関連ハンドアウト(参考資料)

オンデマンド

関節疾患の治療指針 総論 vol.01
  • 整形外科

・関節疾患の治療指針総論
・重要性:非常に多発する臨床問題
 先天性・発育性(痛み、跛行の原因になる:膝蓋骨脱臼、股関節形成不全など)
 “前十字靭帯症”(二次的な半月板損傷による疼痛なども問題)
 骨関節炎 “OA”(股関節、肘関節など)

関節疾患の治療指針 総論 vol.02
  • 整形外科

 骨関節炎 “OA”(股関節、肘関節など)
・Estimate of the annual economic impact of treatment of cranial cruciate ligament injury in dogs in the United States
 大型犬で前十字靭帯断裂が疑われると手術が最もよいが、片足40ドルから50ドルかかり、80%は両側性になる。飼い主にとっては負担が大きい。
 https://www.researchgate.net/profile/Mike_Conzemius/publication/7456063_Estimate_of_the_annual_economic_impact_of_treatment_of_cranial_cruciate_ligament_injury_in_dogs_in_the_United_States/links/542bfe870cf277d58e8a6b6a.pdf
 レントゲン検査が全十字靭帯断裂の検査で一番役に立つ。

関節疾患の治療指針 総論 vol.03
  • 整形外科

・背景:現状
 遺伝的淘汰?(避妊・去勢・繁殖制限)
 交配抑制?(日本ではあまりうまういってない)
 予防措置?(TPOに代表される予防的処置はあまりうまくいってない)
 対症療法(多くの症例で対症療法が行われる)
  疼痛管理、NSAIDs
 Salvage procedures(例:骨頭骨頸切除術、関節全置換術など)
・より良い作戦?
 病因の理解(遺伝学) → 病態への治療(医科学研究) → 治療成果(臨床試験)
 整形外科領域ではエビデンスがないことが多いので注意する。
・総括的なアプローチ?

関節疾患の治療指針 総論 vol.04
  • 整形外科

・重要問題 #1 前十字靭帯疾患

関節疾患の治療指針 総論 vol.05
  • 整形外科

・Fuller et al, 2014
 臨床家にとって前十字靭帯断裂の最もよい診断法はレントゲン検査。
  側方向の関節内の液体の貯留を評価する。
 臨床症状(痛痛)、身体検査所見、単純レントゲン検査で診断できる。

関節疾患の治療指針 総論 vol.06
  • 整形外科

・治療
 100以上の治療法が提案されている。
 TPLOが今のところ最も信頼出来る手術法。(前後方向の安定性が一番良い)
・Walk PVF
 快復率はTPLOが有意に期待できる。
・Walk VI、Trot PVF、Trot VIすべてTPLOが有意に1年経過時の快復率が高い。
 ただし、コストと合併症が起こった場合の重症度はTPLOが高い。
 小型犬でもTPLOができるようになってきている。

関節疾患の治療指針 総論 vol.07
  • 整形外科

・重要問題 #2 Elbow Dysplasia 肘の問題
 内側の鉤状突起はなぜ破壊されるのか? よくわかってない。
・病因?
 肘関節には3つの骨があり、それがぴったりとはまらないとどこかに負担がかかる?(仮説)
 遺伝的な要因が大きいのか?
 Radio-ulnar incongruence
 Ulnar notch incongruity
 Ligamentous insufficiency
 Impact with radial head
・治療選択
 保存的治療(NSAIDs)現在のところ、こちらがメインみなっている。
 手術、関節鏡Arthroscopy/Arthorotomy
 骨切り?その他
 − Sliding humeral osteotomy (SHO)
 − Bi-oblique dynamic proximal ulnar osteotomy
 − Proximal ulnar ostectomy (PUO)
 − Biceps ulnar release procedure (BURP)
 − 置換術 Total elbow replacement (TER):現在のところ、失敗率が非常に高い。
 − Canine unicompartmental elbow replacement (CUE)
・PAUL
 新しい手術法
 Effect of a proximal abducting ulnar osteotomy (PAUL) on intra-articular pressure and contact mechanics of the normal canine elbow ex vivo
 尺骨を少しずらす治療法だが、あまり成績はよくない。
・Proximal Abducting Ulnar Osteotomy

関節疾患の治療指針 総論 vol.08
  • 整形外科

・重要問題 #3 最少侵襲外科“関節鏡”
 重要性、安全性、有効性
・関節鏡(動画)
 正常、肘関節症
・関節鏡(動画)
 膝関節(前十字靭帯:部分断裂)
・虎の関節鏡

関節疾患の治療指針 総論 vol.09
  • 整形外科

・重要問題 #4: 再生医療?“Stem Cells”]
 重要性
 安全性
 特性
 有効性?(今のところ皆無。アメリカでは行われているがデータは皆無に近い)
・骨折ー癒合遅延不全
 関節内注入よりは、可能性はあるかもしれない? 
・腱
 アキレス腱断裂に対する応用

関節疾患の治療指針 総論 vol.10
  • 整形外科

・重要問題#5: 関節置換
 アメリカではかなり一般的に行われているが、合併症も多い。
・合併症(動画)
・部分置換術
 犬ではまつたくうまくいかなかったので現在は行われていない。
・進展
 インプラントのデザインとか素材の改良が行われている。
・BFX Lateral Bolt System
・New THR System (BioMedtrix: Micro/Nano total hip)
・BioMedtrix Nano THR(Cemented)
・肘関節
・CUE
・膝関節?
 膝の全置換術(ただし、ほとんど行われていない)
・合併症
 PGRシステム(滑車陵を置換するシステム)
・臨床研究(動画)
 歩行解析
・共同研究
・“Tough Cases”
・質疑応答

動画要約(全文)

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