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VMN セミナー情報

  • 専門医に学ぶ講演会
  • 科目
開催日: 2017年1月16日(月)

麻酔学セミナー 2017

1. 小動物の麻酔と鎮痛– 概説
2. 周麻酔期の輸液、電解質と酸塩基の管理
3. 小動物麻酔補助としての持続静脈内投与

講師

Khursheed Mama, DVM, DACVAA
Professor, Veterinary Anesthesiology
Department of Clinical Sciences
Colorado State University
Fort Collins, CO 80523

演題

1. 小動物の麻酔と鎮痛– 概説
2. 周麻酔期の輸液、電解質と酸塩基の管理
3. 小動物麻酔補助としての持続静脈内投与

関連ハンドアウト(参考資料)

オンデマンド

小動物の麻酔と鎮痛 − 概説 vol.01
  • 一般外科/麻酔科

・トピック
 犬猫の鎮静または前投与に用いる薬剤について要点をおさらいする
 症例
・鎮静/化学的保定
 薬剤の特性
   − 確実な作用発現と持続時間
   − 一貫性があり、滴定可能な作用
 トランキライゼーション、鎮静、鎮痛
   − 副作用(対処可能?)
 心血管系または呼吸器系の抑制、興奮、高血糖症、排尿など
・鎮静/化学的保定
 以下の薬剤を選択する際は、その薬剤の特性と望んでいる効果が一致したものを選ぶ:
 鎮静剤/トランキライザー
 補助薬
   − オピオイド – 鎮痛(犬では鎮静)
   − 追加薬剤(例、制吐剤)
   − 麻酔薬(例、気難しい動物)
・薬剤の分類
 抗コリン作動薬
 フェノチアジン系薬剤
 α-2作動薬
 ベンゾジアゼピン
 オピオイド
・抗コリン作動薬 - 問題
 アトロピン とグリコピロレート
  発現までの時間と持続時間が長い抗コリン作動薬はどちらか?
  胎盤および血液脳関門を通過する抗コリン作動薬はどちらか?
・抗コリン作動薬
 第3級アミン
  硫酸アトロピン(Atropine)
 第4級アミン
  グリコピロレート(Robinul -V)
・抗コリン作動薬
 ムスカリン後神経節の、コリン作動性部位で、アセチルコリンの作用と競合する
 血液脳関門を通過する薬剤は中枢性の副交感神経遮断作用を持つ
  アトロピン
 主に見られる臨床的な作用
  心拍数の増加(変化)
   胎子の心拍数に及ぼす影響は様々である
  気管支と口腔の分泌低下(粘度が増加する可能性)
  胃のpHを上昇

小動物の麻酔と鎮痛 − 概説 vol.02
  • 一般外科/麻酔科

・臨床的な利用
 犬猫では、抗コリン作動薬はしばしばカウンターとして用いられる
  オピオイド誘導性の徐脈
  ‘解離性’薬剤の利用による分泌
 問題:解離性薬剤の例には何があるか?
・臨床的な利用 - 問題
 犬猫にケタミン導入を行う場合、前投薬として、最大あるいは最小用量のアトロピンを投与するか?その理由は?
 低容量で用いる。なぜならケタミンは心拍を上昇させるため分泌物を減らすということだけなら低容量で用いる。
・鎮静/トランキライゼーション
 フェノチアジン系
   − アセプロマジン
    若くて健康患者によく使用している。
 α-2作動薬
   − キシラジン、デクス/メデトミジン
 ベンゾジアゼピン系
   − ミダゾラム、ジアゼパム

小動物の麻酔と鎮痛 − 概説 vol.03
  • 一般外科/麻酔科

・α-2作動薬 - 問題
 以下のα-2作動薬のうち効果が最も弱いものはどれか?
  キシラジン、メデトミジン、デクスメデトミジン
 α-2作動薬ではどのタイプの不整脈が認められるか?
・α-2作動薬
 薬剤の効果(弱い順に)
  キシラジン
  ロミフィジン(主に馬で使用されている)
  デトミジン(主に馬で使用されている)
  メデトミジン
  デクスメデトミジン
・鎮静
 − α-2作動薬
  キシラジン、デクス/メデトミジン
  鎮痛、鎮静、麻酔薬の用量減少および筋弛緩
 − 心血管系への作用、高血糖症、鎮静にもかかわらず突然の覚醒 
・α-2作動薬
 心血管系への作用
  新薬では犬(猫)で長時間の高血圧相
  徐脈(および心拍出量低下)
   馬、犬、猫では、心拍数が覚醒時の½ ~ ¼である
  徐脈性不整脈
   第2度房室ブロック(心ブロック)が最も多い
・心電図
 洞性徐脈
 第2度心ブロック

小動物の麻酔と鎮痛 − 概説 vol.04
  • 一般外科/麻酔科

・α-2作動薬
 心血管系への作用
  アトロピンの先行投与は推奨されない
  心臓の仕事量を増やし、心拍出量に対する大きな有益性は無い
・臨床応用
 外来患者の鎮静(オピオイド系薬剤との併用がベスト)
  健康な若齢患者
  X線撮影、バンデージ交換
 気難しい患者の鎮静
・α-2拮抗薬
 臨床作用を逆転させる
  ヨヒンビン(キシラジン)、アチパメゾール(メデトミジン、デクスメデトミジン)
・α-2拮抗薬
 動物への拮抗は注意深く行う
  IVではなく IM投与
  適切に調整した薬剤と投与量を選択すること
  疼痛のある動物には鎮痛剤で前処置する
・質疑応答

小動物の麻酔と鎮痛 − 概説 vol.05
  • 一般外科/麻酔科

・ベンゾジアゼピン - 問題
 このクラスの薬剤である_____ は水溶性である。その意義は何か?
 これらの薬剤はしばしば _____ の治療に用いられる
 _____ はベンゾジアゼピンを逆転する薬剤である
・ベンゾジアゼピン
 作用
  γ-アミノ酪酸(GABA)の放出を調節する
   ヒト患者の抗不安薬
  作動薬 - ジアゼパム、ミダゾラム、ゾラゼパム
  拮抗薬 - フルマゼニル
・ベンゾジアゼピン
 獣医医療での利用
  注射および吸入麻酔薬の必要量を減少させる
  解離性薬剤によって起こる筋肉の緊張亢進を軽減させる
  痙攣の治療
  食欲刺激剤(猫)
・鎮静/トランキライゼーション
 ベンゾジアゼピン
   − 重症な小動物患者に適している
   − 心血管系への安全性が良い
   − 健忘薬(ヒト患者)
・ベンゾジアゼピン
 望ましくない行動への作用
  犬、猫、馬では、ヒトと同様、不安行動、落ち着きがなくなる、興奮が生じる可能性がある
   例、ミダゾラムを投与された猫が、鎮静されているように見えていても、静脈穿刺のために保定しようとすると、咬みつく、威嚇する、引っかく、逃走行動を取るなどの反応をする

小動物の麻酔と鎮痛 − 概説 vol.06
  • 一般外科/麻酔科

・オピオイド
 最大効力
 用量効力
・オピオイド
 多くの選択肢がある
 大半の犬に鎮静作用がある
 一部の猫も鎮静できることがある
 犬に優れた鎮痛作用があり、おそらく猫にも(天井効果ではあるが)
 良好な 心血管系への安全性
・臨床的な利用
 複数の経路で投与可能
  全身的 - IV、SC、IM、Per Os
  経皮的 - フェンタニルパッチ
  硬膜外、関節内、その他
 急性あるいは慢性痛の治療
・オピオイドのSC
 犬の鎮静(強い順に)
   − モルヒネ
   − ブトルファノール
   − ヒドロモルフォン/オキシモルフォン
   − ブプレノルフィン
   − メタドン
   − フェンタニル
・オピオイド
 肥満細胞腫瘍の犬には避けたいと考えられるオピオイドは何か?
 それは何故か?
・オピオイド
 副作用
  徐脈、嘔吐、不快感/興奮、呼吸抑制、ヒスタミン放出(モルヒネ、メペリジン)

小動物の麻酔と鎮痛 − 概説 vol.07
  • 一般外科/麻酔科

・他の薬剤
 ケタミン
   − 鎮静を増強する目的でIMやSCの投与が可能
   − 犬猫で化学的保定/軽麻酔を得るには、IV投与するとよい
・他の薬剤
 テラゾールは同様に使用できるが、この薬剤は、気難しい患者を正確に‘化学的保定’したい場合、非常に有用である
 IMまたはSCで投与する
・他の薬剤
 プロポフォールとアルファキサロン
   − 滴定静脈内投与では鎮静から全身麻酔までの効果が得られる
   − アルファキサロンはIM投与が可能である(猫)
   − 必要が生じたら、挿管して心血管機能を支持できるように準備しておく
・他の薬剤
 時には吸入麻酔薬を使って化学的保定を行う場合がある
 最も多く使われるのは、気難しい猫および小型哺乳類/鳥類
・質疑応答

小動物の麻酔と鎮痛 − 概説 vol.08
  • 一般外科/麻酔科

・症例1
 3歳、雌のビズラ
 猟犬で後肢端の出血性裂傷がある
 計画は、犬を評価して整復後、可能であれば帰宅させる
・症例1
 オピオイドは犬に鎮静作用を持つことから、まずどの薬剤にするかを決める
 例、ヒドロモルフォン
 中程度の作用時間と鎮静
 心血管系(心拍数)への副作用は限定的
 IM、SC、IV投与が可能
・症例1
 鎮静剤またはトランキライザーを選択
  デクス/メデトミジン
  良好な鎮静と鎮痛が得られ、患者は若く健康な犬である
  拮抗できるため、処置終了後に帰宅させることができる
・症例1
 デクス/メデトミジン0.01 mg/kg
 ヒドロモルフォン0.1 mg/kg
 どちらもIMまたはSC投与(もしくは用量を下げてIV投与が可能)
 想定される作用発現は15 – 20分
 想定される作用時間は〜1時間
・症例1
 支持
  酸素:デクス/メデトミジンによって低酸素症になる場合があるため
  静脈内カテーテルと輸液
  区域(局所)麻酔テクニック
  抗生物質、潤滑用点眼液
  外部からの保温
・質疑応答

小動物の麻酔と鎮痛 − 概説 vol.09
  • 一般外科/麻酔科

・症例 2
 在来長毛種-6歳去勢雄
 病院では怒りっぽくなる
 家に戻ってきたときに頚部の腫脹と咬傷/肢の擦過傷があった
 評価と治療が必要
・追加の情報
 検査は不可能だったが、飼い主によると受傷前は猫は正常と思われた
 7ヵ月前の検査室検査の結果は正常範囲内であった
 後肢の位置の状態から大腿骨骨折を疑う
・目的
 検査と治療を行うため、猫を安全に鎮静/麻酔すること
 支持治療を施し、患者と治療者のストレスを最小限にする
・考慮すること
 猫が最後に食べたのはいつか?
 失血しているのか?
 他にも外傷はあるか?
  膀胱や尿道の破裂など
 評価していない状態では、鎮静/麻酔のリスクが高まることを飼い主に伝えることが重要
・症例 2
 近寄ることができない
  テラゾール IM/SC-5mg/kg
  チャンバーによる導入-吸入
 鎮痛薬の投与
  ブトルファノール 0.2mg/kg と デクスメデトミジン 0.01mg/kg ± 低用量 2-3mg/kg のケタミン

小動物の麻酔と鎮痛 − 概説 vol.10
  • 一般外科/麻酔科

・症例 2
  近寄ることができない
   現在の新しい選択肢
    アルファキサロンのIM
     1-2mg/kgでオピオイドと併用
      ブトルファノール 0.2mg/kg
      メタドン 0.2mg/kg または他のμオピオイド作動薬
・短所と長所
 DB:処置中の鎮痛が良好に得られ、両者とも可逆性だが、Dは血管収縮/徐脈を招く
 K: wind upの抑制を促すが、注射時の疼痛や流涎のほか、覚醒が遅れて粗暴になる可能性がある
 I : 鎮痛効果なし、興奮作用
 T : 鎮痛効果は最小限で覚醒が遅延する可能性がある(ket/midの選択肢は覚醒を促進するかもしれない)
 A:大量だが鎮痛作用のあるオピオイドの併用で減量できる
・支持
 体外加温
 IV カテーテルおよび輸液
 抗生剤
 マスク/挿管による酸素供給?
 目の潤滑
・モニター
 ドプラー/オシロメトリック 血圧測定
 心拍数と調律
 体温と呼吸数
 酸素飽和度

小動物の麻酔と鎮痛 − 概説 vol.11
  • 一般外科/麻酔科

・症例3
 11歳のコーギー
 発熱 T= 103.6 39.8℃、抑うつ、2日前に飼い主と草原に出てから食べていない
 HR 146、RR パンティング、粘膜は赤い、犬は脱水しているようである
 膿胸の疑いがあり、X線検査と、おそらく胸腔穿刺術も実施したい
 鎮静のための計画を立てる
 鎮静時に支持はどのように行うか?
・症例検討
 猫で類似の状況であれば、鎮静に何を用いますか?

小動物の麻酔と鎮痛 − 概説 vol.12
  • 一般外科/麻酔科

・質疑応答

周麻酔期の輸液、電解質と酸塩基の管理 vol.01
  • 一般外科/麻酔科

・目的
 麻酔中におけるルーチンの静脈内輸液投与の理論的根拠を再検討する
 周麻酔期輸液療法のガイドラインと議論の可能性について考察する
 輸液療法に変更が必要な特定の状況を考察する(血液製剤、酸塩基および電解質に関する考察を含める)
 輸液の選択と輸液の投与速度の計算に関する実用的な情報を再評価する
・なぜ輸液療法を行うのか?
 静脈内容積の維持
 酸塩基平衡と電解質組成の維持
 内臓機能の支持
 細胞に酸素と栄養素を供給する
・麻酔と輸液療法について考慮すること
 患者の特徴
   − 年齢、妊娠、品種、ボディコンディションスコア
 来院理由
   − 選択的または緊急
 施術の性質
   − 簡単/ルーチンまたは複雑
・麻酔と輸液療法について考慮すること
 以下の影響も考慮する
   − 術前の絶食
   − 乾性ガスの吸入
   − 大気への組織の露出
   − 体液または血管内容積を失うその他の原因
・麻酔と輸液療法について考慮すること
 麻酔薬による悪影響
   − 心血管機能
 収縮性、血管運動神経性緊張の低下
   − 自律神経系機能
 圧受容器のフィードバックの低下
   − ホルモン分泌と作用
 抗利尿ホルモン放出の増加

周麻酔期の輸液、電解質と酸塩基の管理 vol.02
  • 一般外科/麻酔科

・麻酔と輸液療法
 麻酔下の患者では、これらの因子が集合して、対処の必要を生じさせる
   − 欠乏量
   − 正常な体液の持続喪失量
   − 異常な体液の持続喪失量
   − 血管内容積
・麻酔と輸液療法
 伝統的には、平衡等張液(置換液)を10-15ml/kg/時で投与することが推奨されている
 最近の (AAHA) ガイドラインは保存的アプローチ(5 ml/kg/時)を好んでいる
   − 「真実」はどこにあるのか?
・輸液の選択
 輸液療法を受けている患者では有害な副作用(渇感、悪心、めまい)が少なく、覚醒が良好で入院期間が短いことを手術を受ける人の患者からの報告が示している。
 輸液の投与速度と種類は、おそらく患者と施術に特異的なものにする必要があることを示すデータも増加している。

周麻酔期の輸液、電解質と酸塩基の管理 vol.03
  • 一般外科/麻酔科

・輸液の選択
・輸液分類のレビュー
 晶質液
   − 等張液(ボーラス投与できる)、低張液(ボーラス投与できない)、高張液
   − 置換、正常な体液の持続喪失(維持)
 コロイド液
   − 合成および天然 (血液製剤)
   − 酸素運搬液
・晶質液
 浸透圧的に、間質液および細胞内液の区画と平衡になる活性粒子を含んでいる
 張度は血液または細胞外液の張度と相対している
 晶質液の再分布
   − 1時間で約 2/3
   − 3時間で約 9/10
 再分布の仕方は輸液のタイプによって決まる
   − 等張液は細胞外液へ

周麻酔期の輸液、電解質と酸塩基の管理 vol.04
  • 一般外科/麻酔科

・合成コロイド液
 非拡散性の大型粒子と拡散性の小型粒子が溶液中で混合している
 浸透圧およびコロイド浸透圧として作用する
 ヘタスターチ、デキストラン, etc.
 血管内容積を急速に回復させたい場合に使用する
 微小血管循環の改善に使用する
 低アルブミン血症/低タンパク血症の患者のコロイド浸透圧維持に使用する
・合成コロイド液 問題点
 − 容量の過負荷
 − 凝固障害
 − 血小板機能障害
 − 過敏症反応(あまり認識されていない)
 − 急性腎不全(人の方で発生率が高くて、使用されなくなってきた理由)
・合成コロイド液 推奨投与量
 − 20 ml/kg/24hrを超えないこと
 − 低タンパク血症での維持速度は (0.5) 1-2 ml/kg/時
 − 患者に既に合併症の素因がある場合は更に速度を調節する

周麻酔期の輸液、電解質と酸塩基の管理 vol.05
  • 一般外科/麻酔科

・天然コロイド液
 新鮮および貯蔵全血
 濃縮赤血球
 新鮮血漿、新鮮凍結血漿、貯蔵血漿
 アルブミン
 クリオプレシピテート
・天然コロイド液
 理論的根拠に基づいて使用すること
   − コロイド効果を得るための血漿
   − 凝固因子としての新鮮凍結血漿
   − 赤血球と血漿を供給するための全血 (患者のPCV / TPが低い場合)
   − 血小板を供給するための新鮮血/クリオプレシピテート
・天然コロイド液 問題点
   − 高価であり、供給源が限られている
   − ドナーの供給源を維持する必要がある
   − 輸血反応を最小にするため血液型判定/クロスマッチが必要
     特に猫に行う場合と、犬での反復投与の場合

周麻酔期の輸液、電解質と酸塩基の管理 vol.06
  • 一般外科/麻酔科

・血液型
 犬赤血球抗原 (DEA)
 細胞膜上の糖タンパク/脂質
   − 13種類が確認され、8種類が重要と考えられる – 1.1,1.2, 3, 4, 5, 6, 7, 8
   − 犬はこれらに対する自然発生性の抗体を持たないため、1.1 (1.2) が最も重要である
   − 犬がこの抗原を持っている場合A+、ない場合A-
   − 3, 4, 5, 7 に対する抗体は細胞の生存期間に影響する可能性がある
 自然発生性抗体がないことを踏まえると、A+の血液をA-の犬に初めて輸血しても即時反応は起こらないが、輸血された細胞の寿命は短くなる可能性がある。A+の血液を A+の犬に輸血するのが良い
 その後、同様の輸血をすると深刻な反応が起こる可能性がある
・血液型
 クロスマッチ主試験
   − ドナーの赤血球とレシピエントの血漿
 クロスマッチ副試験
   − レシピエントの赤血球とドナーの血漿
 凝集又は溶血
・万能ドナー (犬)
   − DEA 1.1, 1.2, 3, 5, 7 陰性および
   − DEA 4 陽性
   − A-の血液はどの犬にも輸血できるが、繰り返し投与する場合にはやはりクロスマッチの実施が推奨される
・血液型(猫)
 猫には3種類の血液型がある
   − A は力価の低い抗B抗体を持つ
   − B は力価の高い抗A抗体を持つ
   − ABは極めてまれで、抗体を持たないため、万能レシピエントである
 猫の血液型の割合は、地域および品種特異的な違いがある
 血液型判定をせずに猫に輸血をするべきではない
 万能ドナーはいない
 特にB型の猫にA型の血液を輸血した場合、致死的な反応が起こる可能性がある
・質疑応答

周麻酔期の輸液、電解質と酸塩基の管理 vol.07
  • 一般外科/麻酔科

・犬のケース・スタディ
 Fonzi: 2歳、25kg、去勢済み雄のビズラが広いマージンを必要とする後肢のがん性腫瘤切除のため来院
 12時間絶食
 予測される麻酔時間は約2時間
 欠乏量
   − 25 kg x 2%
 12時間の絶食により、いくらか脱水していると仮定した場合
 2÷100 x 25 kg = 0.5 kg
 1kg = 1000 ml
 つまり 0.5 kg = 500 ml
 正常な持続喪失量 (維持)
   − 公式 (30 x kg) + 70
   − これは1日全体の量
 (30 x 25 kg) + 70 = 820 ml/24時間
 または34 ml/時 そして Fonzi は約2時間の麻酔を行うので必要量は68mlとなる
 500 mlに 68 mlを加える = 568 ml
 異常な持続喪失量の分(例、乾性ガス呼吸)と合わせる = 600 ml を 2時間かけて または 300 ml/時
 300 ml/hr ÷ 25 kg = 12 ml/kg/時
 これをどのように投与すれば良いか?
   − キャリブレート済みの輸液ポンプを使用するか、使用する輸液セットに基づき一分あたりの滴下数を計算する
   − {望ましい輸液速度 (ml/時) x 滴下数/ml} / 60 分/時
 この患者では、12 ml/kg/時は 300 ml/時
 15 滴/mlの輸液セットの場合
 {300 ml/時 x 15 滴/ml} / 60 分/時 = 75 滴/分 (〜1 滴/秒)

周麻酔期の輸液、電解質と酸塩基の管理 vol.08
  • 一般外科/麻酔科

 輸液の必要量のほとんどは置換(欠乏量)のためなので、血漿と組成の類似した等張電解質輸液を使用する
   − PlasmaLyte A, ラクトリンゲル液, Normosol-R
 動物が低タンパク血症(TP < 4 g/dL)の場合はどうするか?
 凝固状態が正常な場合、必要輸液量の一部を満たすように合成コロイド液の投与を考慮する
   − ヘタスターチ, Voluven, デキストラン70
 低アルブミン血症のためコロイド浸透圧の低い患者では1-2 ml/kg/時の投与速度が推奨されている
 最大投与量は20 ml/kg/24時間を超えないようにする
 人の患者では最近合成コロイド液の使用について論争がおきている
 最大(コロイド液)投与量に達した場合、または患者が希釈性凝固障害の徴候(例、傷口からの出血)を示し始めた場合,
   − 輸液の選択をどのように変更したら良いか?
 新鮮凍結血漿は不安定な凝固因子を供給する
 コロイド浸透圧と‘アルブミン/総タンパク’の変更にも役立つが、それには実際的でない、または費用対効果のない、相当量を用いなければいけない
 クロスマッチ副試験
   − ドナーの血漿とレシピエントの赤血球
 過去に輸血を受けたことがあるが、血漿輸血は典型的に行われなかった動物に適用される
 血漿をどれくらいの速度で投与するか?
 動物に血漿輸血をしている際、どんな臨床症状に気をつけるか?
 血漿をどれくらいの速度で投与するか?
 動物に血漿輸血をしている際、どんな臨床症状に気をつけるか?

周麻酔期の輸液、電解質と酸塩基の管理 vol.09
  • 一般外科/麻酔科

・猫のケース・スタディ
 Millieは6kg, 12歳の避妊済み雌で慢性腎疾患の病歴がある
 消化管の線状異物除去のため外科手術が必要である
 麻酔前に病院で数時間かけて再水和した後、PCVは22%、TPは5.5 g/dl であった。
   − 循環機能、組織灌流、酸素供給を維持するため、貧血に対する赤血球の投与が必要である
 酸素供給量 = O2 含有量 X 心拍出量
   − 晶質液や合成コロイド液のボーラス投与によって心拍出量は増加するが、酸素含有量は低下する可能性がある
・酸素含有量 (ml/dl)
 (1.36 X [Hb] X % 飽和度) + (PaO2 X 0.003)
 ヘモグロビン(Hb)は測定するか、PCVから推定する
・輸血のロジスティクス
 フィルターを付けた静脈内投与をゆっくり開始する
 必要な投与量を計算する(VTBI)
   − (血液量 X 望ましいPCV – 実際の PCV) / ドナーの PCV
 レシピエントの血液量は以下のように計算する
   − 猫は体重(kg)の60
   − 犬は体重(kg)の80 %
 手早く計算できる経験則
   − 濃縮赤血球1 ml/kg は PCVを1%増加させる
   − 全血2 ml/kgはPCVを1%増加させる

周麻酔期の輸液、電解質と酸塩基の管理 vol.10
  • 一般外科/麻酔科

・カルシウム
 低カルシウム血症を治療するためにCa++ を投与しなければならないことがある - なぜこれが起こるのか?
 イオン化カルシウムを測定する
 ‘利用可能な’カルシウムの静脈内投与を5 -10 mg/kgから始める; ゆっくり投与する (15分かけて)または定速注入
 グルコン酸カルシウム(利用可能なカルシウムは1/3)と塩化カルシウムでは利用可能なカルシウム量が異なる
 血液または血漿製剤と同じ輸液ラインではカルシウムを投与出来ない
 ラインが1つしかない場合、停止してフラッシュし、カルシウムを投与、その後また停止してフラッシュし、輸血を再開する
・実践ヒント
 血液は微量イオンを含む一部の晶質液によって微小沈殿物を生じることがある
 臨床的意義は議論中である
 その他の薬物 (例, NaHCO3) も沈殿を起こす可能性がある
・その他に考慮すべきこと
   − 猫がある時期食欲不振で利尿状態だった場合、電解質の補給が必要かも知れない
   − どの電解質が不足している可能性が最も高いか/周麻酔期に対応するべきか?
・カリウム
 − 供給源は食事 / 腎臓からの喪失が利尿によって憂慮される
 pHと照らし合わせて値を検証する
   − 酸血症はイオン化カリウム値(K+)の偽りの上昇を引き起こす
   − pHが0.1低下する毎に、K+ は約0.5 mEq/L増加する
 不用意な‘ボーラス’投与が起こる可能性があるため、小動物ではどんな速度でも自然滴下による輸液は推奨されない。
 しかし輸液にカリウムを加えて (K+ の不足量により20 – 40 mEq/L )、輸液ポンプで投与することは出来る
 最大投与速度を超えてはならない
・マグネシウム
 低値は低カリウム血症および心臓の興奮性に関連する
 疼痛に影響?
 0.15 - 0.3 mEq/kgをIV投与,一般に15-30分かけて
 低血圧を起こす可能性がある」

周麻酔期の輸液、電解質と酸塩基の管理 vol.11
  • 一般外科/麻酔科

・質疑応答

小動物麻酔補助としての持続静脈内投与 vol.01
  • 一般外科/麻酔科

・持続静脈内投与(CRI)
・オピオイド
 我々の病院では犬猫でCRIを用いてルーチンに使われる
 鎮痛のため
 麻酔薬減少(節約)作用
 心血管系の安全範囲が広い
 段階的強度
   − 鎮痛
   − MACの減少
 広い治療域
 作用時間が短いものが多くある
 しかし、副作用が無いわけではない
   − 持続投与の用量を上げれば呼吸抑制の心配がある
   − 犬猫共に、覚醒時に不快気分を認めることがある
   − 猫で高体温が報告されている

小動物麻酔補助としての持続静脈内投与 vol.02
  • 一般外科/麻酔科

・オピオイド
 作用持続時間が短い
   − フェンタニル
   − アルフェンタニル
   − レミフェンタニル
 作用持続時間がより長い
   − モルヒネ
   − ヒドロモルフォン
   − オキシモルホン
・オピオイド
 短時間作用薬は投与速度を高くしやすいため、麻酔薬減少作用に使われるのが、より典型的である
 術中および術後の鎮痛を得るためには、短時間または長時間作用薬のどちらでも良い
 オピオイドは犬猫共に利用されるが、猫では麻酔薬減少(節約)作用(MACの減少)に天井効果がみられるようであり、用量を上げるても効果が高まるわけではなくなるが、副作用(高体温、不快気分)がより多く認められる場合がある
・猫におけるフェンタニルの熱閾値への影響
・犬におけるフェンタニルの麻酔量の減少
 Hug et al & Hellyer et al
・オピオイド
 フェンタニルを次の投与量で用いるとイソフルランの投与量を50%低減できる(犬)
   − 20 µg/kg/時 (0.33 µg/kg/分)
 更に高用量では更なるMAC減少が得られ、より低用量では鎮痛性である
 高用量では呼吸抑制がよく起こるため、通常は換気(人工呼吸)が必要である
 徐脈を治療し、心血管機能を最適に維持する
 覚醒の薬30分前から点滴を中止するか投与速度を下げる
 経皮投与のフェンタニル
 ‘持続投与による’薬物投与のもう一つの方法
 猫ではイソフルランMACを18 - 20%減少させることが示された
 麻酔の少なくとも12時間前に患者に貼付しなければならない

小動物麻酔補助としての持続静脈内投与 vol.03
  • 一般外科/麻酔科

・アルフェンタニル
   − 標的濃度(Cp)調節持続静注
   − 猫で吸入麻酔薬の減少と心血管機能の改善があった
   − 犬でプロポフォールの投与量が減少した
 Ilkiw et al, 1997; Pascoe et al, 1997; Auckburally et al, 2008
・レミフェンタニル
   − 犬猫共に有効であるが、猫よりも犬での吸入薬用量減少の程度が大きい
   − 0.25 – 1.0 µg/kg/minで23 – 30%
   − 0.1 – 0.25 µg/kg/minで40 – 50%
 Ferreira et al, 2009; Allweiler et al, 2007
・オピオイド
 一般的に、高用量で投与する時には精密/正確な投与装置の利用が推奨される
 しかし、Buretrolなどで1時間分の輸液内に1時間分の投与量を添加して用いることもできる
・薬剤の計算
 患者の体重 x 用量
   − 20 kg x 20 µg/kg/min = 400 µg/min
 1時間は60分、つまり1時間では
   − 400 µg/min x 60 min/hr = 24000 µg/hr となり
 1 mgは1000 µg なので
   − 24000 µg/hr ÷ 1000 µg/ml = 24 mg/hr となる
 これを薬剤の濃度で割り、1時間当たりに投与するml数を出す
   − 24 mg/hr ÷ 2 mg/ml = 12 ml/hour
・輸液の投与速度
   − {望む輸液速度(ml/hr) x 滴/ml} / 60 min/hour
   − 10 ml/kg/hour x 20 kg = 200 ml/hr
   − 200 ml/hr x 10 滴/ml ÷ 60 min/hr
 ‘1分に66滴またはおよそ1滴/秒’
・薬剤の投与
 従って、この薬剤12 mlを200 mlの輸液に加え、1秒に約1滴で投与すれば、患者には1時間当たりの輸液量と薬用量を正しく投与できる
・質疑応答

小動物麻酔補助としての持続静脈内投与 vol.04
  • 一般外科/麻酔科

・ケタミン
 NMDA受容体拮抗薬
 脊髄での増幅を低減させる
 Wagnerらにより明らかとなった
 負荷投与量 0.5 mg/kg
 CRI 10 – 20 µg/kg/min
 麻酔薬の必要量を25%低減する
 他の研究では、より高用量でセボフルランの用量を更に減らすことが示されている
   − 負荷用量 3 mg/kg の後、CRIで50および100 µg/kg/minで、MACをそれぞれ40および45%減少させた
 Wilson et al, 2008
 研究は犬で行われたが、猫のワインドアップ予防に役立てるために利用できる可能性がある
 犬猫共に、高用量で用いた場合には覚醒が悪くなる場合がある
・リドカイン
 獣医療では局所麻酔薬および抗不整脈薬としての利用が一般的である
 安価であり、麻薬指定はない
 犬では負荷用量 2 mg/kgの投与後、持続投与50 – 200 µg/kg/minにより23 – 40 %からのMAC 減少が得られる
 これらは高用量であり、猫で使用すべきではない
 Wilson et al, 2008
 猫では、リドカインはイソフルランの用量を低減する
 しかし、心血管系の抑制は同等用量のイソフルランよりも強い
 また、毒性(ハインツ小体、メトヘモグロビン血症など)を示す可能性がある
  Pypendop et al, 2005
 我々の病院では犬のリドカイン用量を20 – 30 µg/kg/minの範囲で使う傾向にある
 この多くはオピオイドまたはケタミンとの組み合わせであり、吸入麻酔薬の用量減少に役立てている
 リドカインの鎮痛作用機序は今のところよくわかっていない。
・モルヒネ・リドカイン・ケタミン
 低用量のモルヒネ・リドカイン・ケタミンを併せ、周術期に使用する輸液剤に混入する
   − M 3.3 µg/kg/min or 0.2 mg/kg/hr
   − L 50 µg/kg/min or 3 mg/kg/hr
   − K 10 µg/kg/min or 0.6 mg/kg/hr
 この組み合わせでイソフルランMAC が45%減少する
 M 単独(48%)の場合とで有意差はなかった
 L単独ではMACを29%、K単独では25%減少させた
  Muir et al, 2003
・デクスメデトミジン
 負荷用量:5 µg/kg(但し、高すぎると思われる)&持続投与を1 µg/kg/minで行う
 安定した麻酔と良好な鎮痛が得られる
 血圧は安定しているが、心拍数が低い
 第2度心ブロックの発生率が高い(アトロピンで治療できない)
 アチパメゾールで作用を拮抗できる
 心血管系の副作用があるため、ASA IとIIの患者のみでの使用が推奨される
・まとめ
 利用できる選択肢は多い
 合理的な使用を促す
   − 患者の必要性と投与実施上の考慮点を基にする
   − 合併症や問題が生じた場合に利用できるサポートについて考慮しておく

小動物麻酔補助としての持続静脈内投与 vol.05
  • 一般外科/麻酔科

・注射薬のみを用いるプロトコール
 麻酔器が利用できない場合、必要となる場合がある
 特定の状況下(MRI)
 吸入薬が‘相対的’に禁忌となる可能性がある患者(例、ICPの変化)
・症例検討
 複数の野良猫/仔猫
 田舎/地方
 麻酔器が無い
 卵巣子宮/卵巣摘出術を実施する必要がある
・選択肢は何か?
 猫はすでに捕獲され、キャリー等に収容されているが、ハンドリングは不可能と仮定する
 鎮静 − アルファ-2作動薬
 鎮痛 − オピオイド
 麻酔薬 − Telazol、ケタミン、アルファキサロン
 メデトミジン 20 – 40 µg/kg
 又はキシラジン 1 mg/kg
 Telazol 3-7 µg/kg
 又はケタミン 5 – 15 mg/kg
 ブトルファノール 0.1- 0.3 mg/kg
 又はモルヒネ 0.1-0.3 mg/kg
・アルファキサロン
  − 入手可能になった – この状況での利用は経済的に難しいが、ケタミンまたはTelazolの代替として、あるいは約 5 mg/kgで用量を下げるのに使用可能である
・忘れないように
 モニター
   − 麻酔深度
   − 心拍数および調律
   − 体温と呼吸数
 利用可能ならば
   − 酸素飽和度
   − 血圧測定
 支持する
   − 体温の維持
   − 輸液(IV、でなければSC)
   − 眼球の湿潤保護
   − 区域ブロック(例、切開部)
   − 鎮痛薬

小動物麻酔補助としての持続静脈内投与 vol.06
  • 一般外科/麻酔科

・症例検討
 12歳の北方犬種
 ケイレン発作と精神状態の変化があった
 CT/MRIのため来院
 手術/放射線治療が必要となる可能性がある
・考慮する点
 頭蓋内圧の上昇
 脳ヘルニアの可能性
   − 診断検査のための注射薬のみのプロトコールを立てましょう
 および/または
   − 必要ならば外科的介入が追加される場合にも
・前投与/導入
 導入薬の用量と心血管系副作用を低減するため、低用量オピオイド(フェンタニル2 – 5 µg/kg, IV)
 次にプロポフォール 2 – 4 mg/kg, IVをミダゾラム0.2 mg/kg, IVと共に投与する
  ?アトロピンは使う?使わない?

小動物麻酔補助としての持続静脈内投与 vol.07
  • 一般外科/麻酔科

・維持
 プロポフォール
 0.1 - 0.4 mg/kg/min (6-24 mg/kg/hour)
   犬では大丈夫である
   猫では30分までに制限、または減量して使用することが推奨される –
   なぜだか覚えていますか?
 侵害的な処置には鎮痛薬が推奨される
・注射薬のみでの麻酔
 我々の病院ではプロポフォールをフェンタニル(用量 20 – 45 µg/kg/hour )と併せて、MRIおよび外科的な頭蓋内処置を受ける一部の犬の麻酔管理に使用している
 この用量での組み合わせでは高二酸化炭素症(と続発するICP上昇)を防ぐために人工呼吸(機械的換気)が必要である
・その他の選択肢
 アルファキサロン
   − 米国でも入手可能となった
   − 特定の状況下での利用が増えている
   − 犬および猫でのCRIで、蓄積を生じることなく、使える可能性がある
・アルファキサン
 維持用量
  犬 4 – 7 mg/kg/hour
  猫 5 – 10 mg/kg/hour
 アルファキサロンには鎮痛作用がなく、そのため、鎮痛薬との併用利用が最善である

小動物麻酔補助としての持続静脈内投与 vol.08
  • 一般外科/麻酔科

・質疑応答

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