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開催日: 2013年4月14日(日)

外科学セミナー2013

講師

Clare R. Gregory, DVM, DACVS
Emeritus Professor, Department of Surgical and Radiological Sciences, UC Davis, Davis CA Staff Surgeon, PetCare, Santa Rosa, CA Consultant Surgeon, VCA All Care Animal Referral Center, Fountain Valley, California

演題

1) "Endocrine Surgery"
内分泌外科
 

2) "Update on the use of Hydraulic Urethral Occluders for the Control of Urinary Incontinence."
尿失禁をコントロールするための水圧式尿道オクルーダー活用のアップデート

関連ハンドアウト(参考資料)

オンデマンド

内分泌外科 Vol.1
  • 一般外科/麻酔科

●内分泌外科●副腎
新たなジレンマ。超音波の性能向上により副腎腫瘍の検出率の増加。偶発腫の増加。
周術期合併症がかなりあるので手術適応を慎重に考える。●解剖学●顕微解剖学●脈管解剖学

内分泌外科 Vol.2
  • 一般外科/麻酔科

●生理学●グルココルチコイド●鉱質コルチコイド

内分泌外科 Vol.3
  • 一般外科/麻酔科

●性ホルモン●カテコラミン 代謝 心血管作用 その他の作用

内分泌外科 Vol.4
  • 一般外科/麻酔科

●副腎の腫大-意義はあるのか?
副腎の臨床的な所見として、体重減少、PU/PD、脱毛など
犬の副腎の端部における球状の腫大は正常所見であるかもしれないので注意。
副腎の最大幅が1.5cmを越えている。正常形状が崩れている。反対側と形状が異なり不対照。
摘出が適応となるのは悪性だが転移がないもの、もしくは機能的なもので、良性で小型やホルモン的に不活性な腫瘤などは適応とならない。
悪性を示唆する因子は、大きさ(大きい)、周囲組織への浸潤、その他の臓器やリンパ節での腫瘤所見などで●機能的副腎腫瘤の診断
各種ホルモンの過剰分泌が犬猫でも報告されている。特に犬ではコルチゾールとカテコラミン●コルチゾール分泌性副腎腫瘍の診断
症状として、PU/PD、多食、パンティング、腹部膨大、内分泌性脱毛、軽度の筋力低下、元気消失など
検査ではストレス性白血球像(好中球の増加、リンパ球の減少)、ALPの上昇、高コレステロール血症、等張尿〜低調尿、蛋白尿
腹部超音波検査により様々な大きさの幅のものが見られる。血管の浸潤は癌腫を示唆する。
機能性副腎腫瘍が両側性おこることもある。
内科的診断法としては低用量デキサメサゾン抑制試験がある。

内分泌外科 Vol.5
  • 一般外科/麻酔科

●クロム親和性細胞腫の診断
症状は全身性の脱力、一時的な虚脱などが散発的に見られる。その他過剰なパンティング、頻脈、脱力など
血液、尿検査で感知できる予見はない。全身性高血圧が見られることがある。
超音波画像診断ではコルチゾール分泌性副腎腫瘍に類似。
周辺血管を圧迫する。

内分泌外科 Vol.6
  • 一般外科/麻酔科

●コルチゾール分泌性副腎腫瘍の術前管理
摘出後の術後合併症に様々なものがある。●コルチゾール値上昇に伴う術後合併症を低減するには
トリロスタンを術前2〜4週間前から投与し、ACTH刺激試験と電解質を測定。血清コルチゾール濃度、臨床症状の改善を確認●高血圧のコントロール
アンギオテンシン変換酵素阻害剤の投与 ●肺血栓塞栓症
一般的な合併症で術後72時間以内に起こり、死亡率が高い。
各種抗凝固剤の投与を行う。
術後早くから歩行させて血栓塞栓を防止する。
症状には呼吸困難、頻呼吸、元気消失、発咳、喀血、チアノーゼ、失神、虚脱、突然死が見られる。
身体的には頸静脈拡張、腹水、弱脈、CRTの延長など
最も優れた診断法は選択的肺血管造影法があるが麻酔リスク等が高いので臨床症状などから
治療は抗凝固療法、機械的換気、輸液を行うが注意が必要、気管支血管拡張などの支持療法

内分泌外科 Vol.7
  • 一般外科/麻酔科

●副腎皮質機能低下症
コルチゾール分泌性副腎腫瘍を切除したすべての犬に起こる。●鉱質コルチコイドの欠乏●クロム親和性細胞腫の術前管理
麻酔などによりカテコラミンの急上昇などがおこる。フェノキシベンザミンを用いる。
術前に重度の心機能変化が見られた場合、各症状に対処する。
術中の動脈性高血圧に対処する。●アプローチ
腹側正中アプローチが通常行われる。時に側腹アプローチも行われることがある。
腹腔鏡を使った手術も可能。但し、腹腔内への腫瘍の播種が問題。●腺の切除●大静脈浸潤
11〜16%に大静脈血栓が報告されている。●予後
周術期リスクが非常に大きい。コルチゾール分泌性副腎腫瘍で最大60%の死亡率、クロム親和性細胞腫で最大47%の死亡率。
大静脈血栓があるからと言って死亡率が増加するわけではない。
手術が必要かどうかは十分に術前に検討し、麻酔、人材、輸血などを十分に準備する。

内分泌外科 Vol.8
  • 一般外科/麻酔科

●甲状腺と上皮小体
手術で重要な注意点は反回神経を傷つけない、周辺血管に注意すること。●上皮小体
甲状腺切除術を行う時には外上皮小体を温存することが必要となる。●異所性甲状腺および上皮小体組織
異所性甲状腺は犬猫で一般的に存在している。
異所性上皮小体組織は犬では稀だが、猫では比較的多く存在する。●甲状腺ホルモン●上皮小体ホルモン
4つすべて摘除すると血中カルシウム値が劇的に低下する

内分泌外科 Vol.9
  • 一般外科/麻酔科

●猫の甲状腺機能亢進症
猫の甲状腺機能亢進症の大多数で良性の腺腫が存在していて、1〜4%に癌腫があるが病理学的にしか診断できない。
70%の転移率。
70%が両側性に存在。
心疾患(肥大型心筋症、心不全)や腎不全が見られる。
メチマゾールによる試験的治療を推奨。手術を選択せず生涯内科療法を選択する時もある。
3割程に低カリウム血症がみられる。
ほとんどの猫に触知可能な腫瘤がある。
T4が最も価値の高い検査法。●麻酔
アドレナリン活性を増強するような薬物は用いない。●手術
シンチグラフィーから片側性が分かっていれば手術しやすいが、70%の猫は両側性であるのでシンチグラフィーが不可能であれば両側切除する。この場合少なくとも上皮小体1つは残すか自家移植する。
両側性の切除の予後は良好、合併症は稀。●皮膜外甲状腺切除変法●皮膜内切除法
甲状腺組織を残存させてしまうリスクがある。●上皮小体自家移植
1〜3週以内に機能を発現する。

内分泌外科 Vol.10
  • 一般外科/麻酔科

●上皮小体機能低下症および低カルシウム血症
術後毎日少なくともカルシウム濃度を測定する。
急性症状には10%グルコン酸カルシウムを投与。●維持療法●カルシウム/ビタミンD療法はいつ止めるか?
通常3週間以内だが、長い場合は3ヶ月ほどかかる。正常になるまで毎週測定して対処する。●手術に変わる治療法
メチマゾールかY/Dなど

内分泌外科 Vol.11
  • 一般外科/麻酔科

●犬の甲状腺腫瘍
犬の腫瘍の1.2〜3.7%で90%は悪性。周囲に浸潤しやすい。
40%が診断時に既に転移。最大80%の転移率でリンパ節や肺に転移。
頻脈を呈することが多く、不整脈は稀。
猫と比較して腎機能障害が問題なることは滅多にない。●超音波やCTなどは周辺組織への浸潤を確認することに役立つが、腫瘍が切除可能かどうかを判断できるものではない。●シンチグラフィー
腫瘍の位置判断に役立つが、一般的には行われていない。●術前管理
ステージング。クロスマッチと凝固プロフィールを確認。
犬では術前に甲状腺機能亢進症を治療しておく必要はない。●手術
アプローチは猫と同じ。浸潤の強い腫瘍は出血のリスクなしに手術をすることは不可能。●術後ケア
支持療法を行う。
3〜7日間は毎日血清カルシウム濃度を測定する。●術後の合併症
出血、貧血、甲状腺機能低下症、反回神経の損傷による喉頭麻痺、食道麻痺など●予後
甲状腺腫の予後は手術単独で良好。腺癌の場合は様々な要因によるが、転移がなければ完全切除でかなりよい予後が予想できる。●転移性疾患の可能性●放射性ヨード療法
切除不能や部分切除の場合の第一選択。●術後放射線療法●化学療法

内分泌外科 Vol.12
  • 一般外科/麻酔科

●上皮小体機能亢進症●原発性上皮小体機能亢進症
犬や猫では稀で、ほとんどが腺腫による。転移はきわめて稀。
ホルモン誘発性で骨からのカルシウム再吸収が行われる。
ほとんど臨床症状は認められない。
犬で上皮小体結節を触知できるのは稀。猫で約半数を触知できる。
イオン化カルシウムの濃度、血清P濃度で慢性腎不全と区別できる。
超音波検査が結節を見るのに有用である。●術前管理
輸液や利尿が必要になる。

内分泌外科 Vol.13
  • 一般外科/麻酔科

●手術
アプローチは甲状腺手術に同じ。
内上皮小体に異常がある場合は甲状腺の完全切除を行う。
最大3個までなら切除可能●術後ケア
カルシウム濃度を少なくとも5〜7日間1日1回は測定する。●予後
手術と術後ケアを行えば良好●低カルシウム血症
10%グルコン酸カルシウムにより対処●維持療法●術後の再発
約8%の犬で再発。多腺性や異所性、悪性の場合や不完全切除の場合などに起こる。●猫での予後
そもそも稀●その他の療法
超音波ガイド下のエタノール注入療法があるが推奨されない。

尿失禁をコントロールするための水圧式尿道オクルーダー活用のアップデート Vol.1
  • 一般外科/麻酔科

●水圧式尿道閉鎖
シリコン型カフで機械的に閉塞させる
異所性尿管整復後、雌犬、雄犬の両方に適応される。
研究方向では術後3年経過しても全頭で自立排尿が可能であった。●犬27頭の研究結果●手術手技
写真による解説●オクルーダーポートを使った生理食塩水の加吸による調整

尿失禁をコントロールするための水圧式尿道オクルーダー活用のアップデート Vol.2
  • 一般外科/麻酔科

●症例1
避妊手術後の尿失禁●症例2
避妊手術後の尿失禁●症例3
避妊手術後の服従性排尿●症例4
出生児からの尿失禁●症例5
日本初のオクルーダー症例●症例6
小型犬症例、7kg程度。生理食塩水の調整が難しい●症例7
生後からの尿失禁。弛緩性の膀胱を空にできない。同腹子も●症例8
8mmのカフで排尿できず、10mmカフに変更した。●症例9
2歳頃からの尿失禁。カフを緩めにつけた症例で術後2週間尿失禁が続く。そのため0.1ml生理食塩水を加える。●結果および考察
9頭中すべてで薬物コントロールが必要ない。
外陰部が隠れた状態になりやすいので、外陰部の形成術の併用も有効と思われる。
大きめのカフを選ぶほうがいい。
小型犬にもオクルーダーを用いることは可能だが、調整が難しい。
大きな弛緩性膀胱は残尿が残ることがある。

動画要約(全文)

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