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開催日: 2012年10月28日(日) |
腫瘍内科学 T細胞型リンパ腫とB細胞型リンパ腫の違い -その臨床的意義-
講師
演題
「T細胞型リンパ腫とB細胞型リンパ腫の違い - その臨床的意義 -」
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Vol.1
- 腫瘍科
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●T細胞リンパ腫とB細胞リンパ腫の違い
全体の2/3が犬で1/3が猫。コッカースパニエルにはB細胞リンパ腫、ボクサーにはT細胞リンパ腫が多い。アメリカはボクサーが多いのでT細胞が多いように感じるのか?
●犬のリンパ腫
リンパ造血系腫瘍で最も多く、悪性腫瘍の2−24%と最も多い。
発生率は12−114頭/10万頭。
コーギー、ゴールデンがリンパ腫が多い犬種だが、ゴールデンは飼育頭数が減ってきている。
リンパ腫は、発生部位によって、多中心型(8割)、消化器型(猫で顕著、増加傾向?)、縦隔型、皮膚型、(その他)に大きく分けられる。 ●多中心型リンパ腫
体表リンパ節が左右対称で腫脹するのが特徴的な臨床症状。レントゲン検査や超音波検査でリンパ節の腫大が認められることが検出される。 ●消化器型リンパ腫
最もおかされるのは小腸。直腸に発生したものは比較的予後が長い。
内視鏡の普及で胃のリンパ腫も多く発見されるようになった。 ●縦隔型リンパ腫
比較的少なく頻度は低い。特に犬では少ない。猫では比較的見られる。 ●皮膚型リンパ腫
最初はあまり腫瘍とは思えないようなパターンが多い。腫瘤+紅皮症が見られ、FNAで診断されることが多い。 ●その他のタイプ
見た目だけではなかなか分からない。 ●リンパ腫様肉芽腫症
血管の周囲に腫瘍性の細胞が浸潤する。皮膚病変は稀。
Vol.2
- 腫瘍科
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●犬のリンパ腫の生存期間
基本的な化学療法で1年くらい。但し、全体で1割くらいしか平均的な結果にならない。これは発生部位が様々違ったり系統や悪性度の違いにばらつきがあるためと思われる。
多中心型は予後が長く、皮膚型、消化器型という予後だが、様々。
●犬のリンパ腫の予後因子
臨床症状のサブステージ、免疫学的表面形質でT細胞型が短い、ステロイド剤の長期投与は短い。病変の解剖学的部位、貧血(Ht40%未満は生存期間は短い) ●犬のリンパ腫における高カルシウム血症
高カルシウム血症自体はリンパ腫を悪化させない。化学療法がうまくいけば改善される。 ●犬のリンパ腫症例の予後
T細胞リンパ腫のほうがB細胞リンパ腫より予後が悪い。 ●犬の多中心型リンパ腫の治療成績
最もよく使われているのはウイスコンシン大学から発表されているUW25(中央値13.2ヶ月)
様々なプロトコールがある。
Vol.3
- 腫瘍科
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●T細胞型リンパ腫とB細胞型リンパ腫の違い -その他の臨床的意義-
●リンパ細胞の分化
●リンパ腫の組織学的構造
T/B分類だけで分けるのは間違い。必ず組織学的検査を行う。 ●正常リンパ節における細胞の構成と遺伝子型
正常細胞は小型の細胞が中心でヘテロな集団。腫瘍化すると大型で均一な細胞集団となることが多い。
●細胞膜表面に発現する免疫系において重要な4つの分子。
●抗体分子の多様な抗原に対する反応性の獲得
●犬のリンパ系細胞クローン性解析に用いるプライマーの改良
Vol.4
- 腫瘍科
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●各種論文
●PCR法を用いたリンパ球系細胞クローン性解析の利点
細胞集団のクローン性を証明できる。T細胞かB細胞かを判別できる。微量のサンプルで検査可能である。正常リンパ球の混入の影響は少ない。
Vol.5
- 腫瘍科
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●サンプルの採取
細胞診所見がないのにクローン解析をするのはリスキーである。 ●PCR解析結果が実際と合わない場合
ほとんどの理由はプライマーが合わないことによる。10%程度。
実際は腫瘍ではないが、ポジティブになるのはエールリヒア症のみ。
検査の時点では経過とともに腫瘍化することがある。
Vol.6
- 腫瘍科
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●リンパ腫の典型的なFNA所見●細胞分類別の生存期間●リンパ小節の構造とB細胞リンパ腫の発生
Vol.7
- 腫瘍科
- 腫瘍科
●病理組織学的所見 ●犬のリンパ腫の細胞診と病理学的所見による予後との関連
Vol.8
- 腫瘍科
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●猫のリンパ腫
FeLV陽性が減って来ている?
猫のリンパ腫は犬のリンパ腫よりももっと多くの型がある。犬で見られる多中心型は少ない。リンパ腫と言ってもリンパ節ではないところが多く犬より分かり辛い。
20年前はFelV陽性で縦隔型が多かったものが最近はFelv陰性で腸管型が多くなっている。
猫のリンパ腫は遺伝子検査の感度があまりよくない。 ●胃腸管リンパ腫
高悪性度の場合はあまり迷うことはない。 ●大顆粒リンパ球リンパ腫 ●猫の低悪性度リンパ腫 ●鼻腔のリンパ腫
ほとんどがB細胞リンパ腫。生検が重要。 ●放射線療法
Vol.9
- 腫瘍科
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●まとめ
犬のリンパ腫で最も多い多中心型リンパ腫ではT細胞型とB細胞型であきらかに予後が違う
抗原レセプター遺伝子再構成を利用した遺伝子検査は、細胞のクローン性解析およびT/B分類に有用である。
犬のリンパ腫の細胞診・病理組織検査分類は、T/B分類と組み合わせ、治療法選択や予後推測に応用されるようになってきた。
猫のリンパ腫に関しても、病理組織学的分類とT/B分類と組み合わせることにより、臨床的意義のある分類が可能となってきた。 ●質疑応答
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