VMN セミナー情報
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開催日: 2014年12月16日(火) |
整形外科セミナー2014
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演題
オンデマンド
関節疾患 放射線画像診断の基礎2 Vol.1
- 整形外科
- 整形外科
●股関節
大型犬であれば股関節形成異常。小型犬であれば骨頭壊死症が多い。
股関節の形成異常と二次的に発症する骨関節症注意する。これは小型犬でも同じ。
OFAによる股関節疾患罹患動物の繁殖制限はあまり効果が出ていない。理由は大きく以下の2つ。
OFAを提出する人が正直でなく、嘘のレントゲンを提出する。
レントゲン像だけでは股関節の正確な診断、遺伝的要素を診断できない。
臨床症状と一般身体検査所見のほうがレントゲンよりも非常に大事である。
股関節だけでなく通常は膝までレントゲンに含める。
いきなり股関節を見ないで大腿筋量や臀筋の筋量を確認すること。臨床症状と合致するか確認。
OFDのレントゲン像の最大の利点は筋量を見れることである。
骨頭壊死症の場合、骨頭の丸みがなくなる、骨頭の透過性が変化するなどが見られる。
股関節形成異常の場合は、やや亜脱臼ぎみ、完全にはまっていない。二次的に骨棘の形成。骨頸に綺麗なウエストラインがなくなり太ってくるなどが見られる。
関節疾患 放射線画像診断の基礎2 Vol.2
- 整形外科
- 整形外科
●膝蓋骨脱臼
パテラの評価をするときにも必ず股関節もチェックする。
グレード2の膝蓋骨内方脱臼の症例
レントゲンでは大腿筋量にも注意する。
膝と股関節が両方悪い場合は膝を先に治療する場合が多い。
骨頸部分の変化を見逃さないこと。
関節疾患 放射線画像診断の基礎2 Vol.3
- 整形外科
- 整形外科
●大腿骨頭壊死症(レッグペルテス症)
小型犬で片側性に多く、遺伝的要因が示唆されるがはっきりはわかっていない。
股関節の伸展時に大きな痛みを伴う。
骨頭の扁平化。内部に放射線透過部分が認められることがある。
一般的に内科療法は効果が期待できないので外科的に骨頭切除か全置換術を行う。
初期や軽度ではレントゲン所見で明らかな所見が得られないことがある。
上記の場合は通常の伸展像ではなく屈曲像(フロッグ・レツグ・ビュー)で撮影する。
レントゲンではここでも、大腿筋量を確認することを忘れないこと。
臀筋群を確認することも重要。
関節疾患 放射線画像診断の基礎2 Vol.4
- 整形外科
- 整形外科
●トイプード1歳の症例
10ヶ月のトイプードルの症例
6ヶ月のトイプードルの症例
※もしもレントゲンで確定診断ができない場合はCTを撮影するとよい。
質疑応答
骨関節症のマネージメント Vol.1
- 整形外科
- 整形外科
●なぜ︎骨関節症を学ばないといけないのか?
約半数の犬には骨関節症が発症する。
QOLが低下する。
時間や加齢と共にどんどん悪くなる。
●はじめに
骨関節炎(OA)、骨関節症、変形性関節疾患(DJD)は同じものとして構わない。
関節周囲の骨の変形、骨棘、周囲の軟骨組織の硬化症
●骨関節炎
犬における病因。骨の変化というよりも軟骨の変化。
発育成関節疾患に二次的。前十字靭帯症。関節骨折。医原性。その他の後天性原因
●骨関節炎 臨床的意義
運動機能低下、不快感、疼痛、生活の質の低下
一時疾患をうまく治療すれば二次的な骨関節炎を軽減できる。
●骨関節炎 病態
不完全な関節、または関節への傷害。軟骨への傷害、摩擦、潤滑運動の低下。軟骨下骨にある神経終末露出、疼痛。
周囲組織の二次的反応、炎症、液滲出。間接包の肥厚、関節腔拡張、疼痛、こわばり。周囲筋肉の硬直。骨棘形成、関節の硬直。
●骨関節炎の原因
一時的:磨耗は時間と過剰な使用。体重増加により起こる。
遺伝的
二次的:犬はこちらが多い。基礎疾患により関節が二次的に傷害される。
●骨関節炎 臨床症状
特異的なものが少ない。明らかなものが少ない。潜行して進む
跛行、起立困難、運動不耐性、元気消失、行動様式の変化、筋肉の萎縮
骨関節症のマネージメント Vol.2
- 整形外科
- 整形外科
●骨関節炎 臨床症状
身体検査所見、年齢、体重などの情報、病歴などを元にレントゲン検査などで診断する。
●骨関節炎 身体検査所見
筋の萎縮、可動域の低下、関節の腫脹、伸展時の痛み、捻髪音
●骨関節炎の対処法
オーナーとよく話し合う。外科的な手術により関節炎の発症や遅らせることができるなら行う。発症していたら症状を緩和する。
体重管理、運動療法、投薬を行う。
●遺伝的、先天性骨関節炎
予防、管理、救済的処置
早期診断し、太らせない、滑りやすい床を避ける。
●後天性骨関節炎
なるべく早く診断してなるべく早く対処する。
●先天性肘関節形成不全
骨を取り除いたり削ったりで対処できる。
●骨関節炎 内科的療法:五大原則
体重管理、栄養補助剤(サプリメント)、運動管理、理学療法、薬剤(NSAIDs)
●体重管理
体重を減らすと関節炎の症状を軽減できる。
BCSをカルテに記録する。痩せ気味を目指す。目標BCSを設定して目指す。
目標カロリーを設定して1週間で体重1−2%くらいを減らす目標を設定する。
少なくとも4週間ごとにBCSを評価。
正しい質と量の運動を行う。
おやつを控える。人間の食べ物は控える。
骨関節症のマネージメント Vol.3
- 整形外科
- 整形外科
●サプリンメント
最近流行っているのはオメガ−3脂肪酸。
まあ、使っても害はないという考え方。
様々な研究があるが確実な効果的を立証した報告はないが、なんらかの効果はありそう。
●運動療法
筋量と関節の可動域を確保する。
水泳が一番いいが、現実的には散歩。
高衝撃運動はさいける。
●理学療法
筋力、持久力、可動域を確保する。
●薬剤療法の目的
股関節に関してはNSAIDsは非常に高価的。
二種のNSAIDsの併用、ステロイドとの併用は禁忌。
猫に使えるNSAIDsは少ない。ステロイドを使うことが多い。
麻薬系はNSAIDsと併用する。
●代替療法
明らかな化学的根拠はない。
●ガバペンチン、アマンタジン
慢性的な疼痛に対して、これらをNSAIDsと併用する。
●救済処置
股関節形成異常、重度の骨関節症に対して、FHO(運動機能の改善は望めない)や全置換術(高価、技術が必要)を行う。
膝の前十字靭帯断裂に関してはTPLOを行うことで膝の関節炎はかなり軽減できる。
足根、手根に関する痛みは関節固定術っがよい。
肘には救済的処置がない。予防も難しい。様々なことが行われているが成功率が低い。
●質疑応答
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