テネシー大学公式認定『CCRPリハビリテーション学術プログラム』

取得医インタビュー

小笠原 茂里人先生
動物リハビリテーション医療研究所

資格取得年 : 2007年
インタビュー: 2014年5月2日

小笠原先生は日本人で一番最初にCCRPを取得されましたが、実際にCCRPの講義を受けられた際の、その講義内容についての印象を教えてください。

犬のリハビリテーションが一つの学問として注目され、研究が本格的に始まったのが1990年代半ばということもあり、私が講義を受けた時も、最新の研究結果がアップデートされながら聞ける大変興味深いものでした。リハビリテーションに関与する解剖学、組織学、リハビリテーションの評価方法、治療計画の作成方法、治療方法、リハビリテーション施設の運営についてまで講義があり、約2週間の集中講義もあっという間でした。大学の整形外科の教授や人の理学療法学の教授が授業を担当しているで、科学的根拠に基づいた内容で、どんな質問に対しても、的確に答えてくれるのがとても良い印象でした。

CCRPのコースを受講した時点で、(獣医師として)感じたことなどをお聞かせください。

理学療法については、獣医学には全くない分野で、全く知識がありませんでした。それまでは、レーザーやマッサージなどは知っていましたが、科学的根拠に乏しい治療だと思ってあまり興味を持っていませんでした。しかし、CCRPコースで理学療法学について学び、しっかりした学問であること、獣医療分野での必要性を認識できました。

セミナー受講後、CCRPの認定を受けるまでの症例の準備や、実際の診療・リハビリテーションの実施を通じて、お考えになったことなどがあればお聞かせください。

CCRPの認定を受けるためには、5症例のケースレポートが必要でした。テネシー大学での集中コースを終えてからノースカロライナの動物リハビリテーション施設で約1か月間研修し、その期間に4症例のケースレポートをまとめました。その後日本に帰国してから、1症例をまとめましたが、水中トレッドミルや特殊な機器もなかったので、米国で習ったことを最大限引き出して創意工夫しながらの作業が大変でした。レポートをまとめていくことで、しっかり評価し、計画を立て、目的のはっきりした効果あるリハビリテーションを行うことの重要性がよくわかりました。

CCRPに認定されたことで、(獣医師として)感じられるCCRPの意義や考え方の変化などがあればお聞かせください。

「手術がうまくいけば問題ない」、「治らない病気は治療しても無駄」という考えは、間違っていることを痛感しました。手術をしても歩けない動物はたくさんいます。手術適応でない疾患で歩けなくなる動物もたくさんいます。彼らの生活の質をどのようにして改善させていくかを考えるのに、リハビリテーションの概念がとても役に立つことがわかりました。

CCRP認定を取得してから、理学療法学をもっと勉強するようになり、人の学会や勉強会にも参加するようになりました。人の理学療法学と比較すれば、動物のリハビリテーションはまだスタートラインを少し越えたところにあります。これから一つの専門分野としてのますます重要視されていくと確信しています。

CCRP(およびCCRPを取得したこと)について現在どの様に考えていらっしゃいますか?また今後どのようにCCRPをいかしていこうと思われますか?
獣医療に従事される方々にお伝えしたいことなどがあればお聞かせください。

CCRPを取得するにあたり、全く学ばなかった理学療法学という専門分野に触れ、獣医療の考え方も変わりました。それにより、普段の診療にも大きく貢献し、動物にも飼い主様にも喜ばれる診療を考えるようになりました。

ご注意

ペット・ベット社が提供しているCCRP テネシー大学公式認定『犬の理学リハビリテーションセミナー』(CCRP育成プログラム)は、小社がテネシー大学から公式に許諾を得て日本で開催している唯一のセミナーであり、セミナーの内容・シラバスのコンテンツ等の著作権は全てテネシー大学に属します。テネシー大学の許可なくこれらを利用することは著作権に抵触しますのでご留意ください。

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